2008年2月25日月曜日

白菜の切り漬け


漬物をつくる。カミサンは「趣味でしょ」という。趣味かもしれない。が、趣味とも違うような気がする。そこは私にもよく分からない。

冬場は白菜漬け。春が過ぎて初夏が来ると、糠(ぬか)漬けだ。
何年か前までは糠床を腐らせたり、しょっぱい白菜漬けになったりした。

失敗は成功の母なんて、よく胸の内で反芻したものだ。

夫婦2人で食べる糠漬けと白菜漬けは、高が知れている。
それは分かっているのだが、どうしても多めにつくってしまう。

で、「誰それにあげたから」と言われると、本当はうれしいくせに、怒ったりする。「このバカ」と、あとで自分を責める仕儀になるのがいつものパターン、といってもいい。少しは漬物にこだわっているのだ、それを分かってくれよ、と言いたいのである。

 この前、田村市常葉町の実家へ帰ったら、いつもの白菜漬けではない白菜の漬物が出た。
義姉(ねえ)さんに聞いたら「切り漬け」だという。「白菜漬けは、時間がたつとすっかくなるからね。夫婦2人が食べる分にはこれ(切り漬け)がいいの」

そのレシピ――。

白菜1株の場合、
① 生の白菜をざくっと切る
② ニンジンと大根をせん切りにする
③ からし菜(あれば)を刻んで彩りにする
④ ニンニク1かけらをみじんにする
⑤ ①~④に適量の塩と糖尿病患者用の「新砂糖」(耳かきで2杯)を加えて混ぜ合わせ、重石をのせる。

すると半日もたてば、ほのかに甘く、うまみがあってやわらかい切り漬けが食べられる、という。

わが家に帰って数日後の朝、台所に立った。
白菜は家庭菜園で栽培したものがある。ニンジンと大根、ニンニクもある。からし菜はないから、代わりにしおれかけた水菜を彩りに添える。

塩は白菜漬けと同じく白菜の重量のほぼ3%にして、「新砂糖」を小さじに半分加え、全体を混ぜ合わせて重石をのせたら、昼には水が上がって食べられる状態になった。

早速、口に入れると――。
ん!? 白菜を包丁で切る代わりに手でちぎって漬けたために、かめばかむほどスジが口の中にたまる。ニンニクもちょっときつすぎたようだ。

「意味のない思いつきは避ける」
またしても新しい教訓が加わった。

とはいえ、さっさっと漬けてさっさっと食べるには、いいやり方かもしれない。「朝漬けたから〝浅漬け″だ」なんて言ったら、「フフン」と一蹴されてしまいそうだ。

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