2008年3月1日土曜日

「ペドロの作文」

アントニオ・スカルメタというチリ生まれの作家がいる。映画「イルポスティーノ」の原作「ネルーダの郵便配達人」を書いた。(と言っても、先日初めて知った。BS2をかけたら、たまたま「イルポスティーノ」をやっていたのだ)

「イルポスティーノ」はまさに「ネルーダの郵便配達人」の物語だ。
イタリアの小さな島で亡命生活を送るチリの国民的詩人、パブロ・ネルーダ(1971年にノーベル文学賞を受賞)のもとへ、毎日、郵便物を届ける。
やがて交流が始まり、郵便配達人は詩に目覚める…。

原作を読みたくなって、いわき駅前の市総合図書館へ行ったら、ない。代わりに「ペドロの作文」(絵=アルフォンソ・ルアーノ)という絵本がある。早速、借りてきて読んだ。

チリのアジェンデ政権がクーデターで倒れ、軍事独裁が始まる。
ある日、学校へ軍人がやって来て「わが家の夜のすごしかた」というタイトルで子供たちに作文を書かせる。
9歳のペドロ少年は、両親がのんびりとチェスなどに興じている様子をつづる。
実際には独裁に反対し、「自由な国がいい」と思っているのだが、本当のことは書けない。書けば両親が連行される――そんな不安がチェスの作文を生んだ。

作文を読んだ父親が愁眉を開く。絵本もそこで終わる。
「『そうか』パパがいった。『こんど、チェスを買ってこなくちゃな』」

8歳や9歳の少年でも大人の魂胆を見抜いてしまう。それをペドロ少年は文字通りの作文でこたえ、両親を救った。

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