2008年3月11日火曜日

甘エビの「焼き尾頭」

北茨城市といわき市の南部を巡っているうちに、夕方近くなった。日曜日である。家に帰ってカミサンに料理をさせるのは気が引ける。小名浜の某魚直売店でヒラメの刺し身と甘エビを買った。

パックの値段がそれぞれ600円。買うか、買うまいか逡巡していると、きた。「さあ、これから3分間安売りタイムだよ」。人のよさそうな店員が黒のマジックペンで値段を500円に書き直す。
「買った!」。勢いにつられて、つい手が伸びた(もっとも金を払ったのはそばにいたカミサンだが)

刺し身は主に私が食べ、甘エビは主にカミサンが食べた。
甘エビの頭と尾っぽは捨てずに残すように、とくぎをさす。「明日の晩、焼いて食べるから」

で、次の日の夜。
パソコンに詳しい若い友人がやって来た。パソコンを開いてガチャガチャやったあと、目の前にあった甘エビの「焼き尾頭」を見て、「食べていいですか」という。「どうぞ、どうぞ。ほかの人は皿の隅に寄せるけど、オレにはうまくて、うまくてしょうがないんだよ、塩サケの皮とエビの尾っぽが」

私がエビの「焼き尾頭」に目覚めたのは、30歳になるかならないかのころだったろう。職場の後輩が「エビの尾っぽはうまいですよ」と、海老天(えびてん)をきれいに食べた。魚の食べ方も美しかった。骨だけが皿に残る。皿までなめるような勢いだった。

そのうまさを若い友人はとっくに知っている。うれしくなると同時に、<いつか「痛風予備軍」なんて言われるかもしれないぞ>と少し心配になった。

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