2008年4月28日月曜日

「川前のカツラ」がすごい


これから何日かは「植物紀行」になるかもしれない。あしからず。

夏井川渓谷の少し上流、いわき市川前町の川前駅近く、夏井川右岸にカツラの巨木がある。市川前支所のだれか(地域振興担当員?)が先日、「川前のカツラの花が満開」とPRしていたのを、いわき地域情報総合サイト(「いわきあいあい」)で知った。

それによると、カツラは同支所から約100メートル上流の右岸にあり、十数本が密生しているように見えるが、根元は一つだ。雌雄異株で、川前のカツラは雄株という。花が終わると新緑が美しい。そう言われてもピンとこない。 この目で確かめることにした。

ほぼ2週間前(4月13日)、雨の中を見に行く。川前駅へ通じる橋の上から上流を見やると、それらしい木があった。が、雨に濡れてまで観察する執念は持ち合わせていない。

で、2回目。4月27日の日曜日、「夏井の千本桜」を見に行った帰りに、今度は左岸・県道側からじっくり観察した。カツラは確かに幹が十数本並び立っていて、鮮やかな新緑に包まれていた=写真。

福島県内には国指定天然記念物の「赤津のカツラ」(郡山市湖南町)がある。高さ25メートル、幹回り9メートル、推定樹齢350年という。いわき市の保存樹木・田人町旅人字和再松木平のカツラは高さ11.7メートル、幹回り3,5メートルというから、スケールは「赤津のカツラ」の半分以下だ。この「川前のカツラ」はまず、「田人のカツラ」をはるかにしのぐのではないか。「赤津のカツラ」ともいい勝負になるのではないか。

いわき市の天然記念物にも、保存樹木にも指定されていないノーマークの大木だ。初めて見る人はただただ圧倒されるに違いない。それほどの重量感がある。川前のお宝(地域資源)としては一級品だろう。この新しい巨木の「発見」で、川前に人の耳目を集める「新しい物語」が生まれる可能性が出てきた。という意味では、有意義な観察になった。

「川前のカツラ」は今すぐにでも市の天然記念物にしていいのではないか。

0 件のコメント: