2008年5月5日月曜日

「霧のマチ」いわき


車で海岸線の道路へ出たら、うっすらと海霧がかかっていた。いわき市では初夏になるとよく海霧が発生する。

この場合の霧は「移流霧」と呼ばれるものだろうか。移流霧は、暖かく湿った空気が冷たい海面に流れ込み、空気が冷やされて起きる。暖流と寒流がぶつかり合うところで発生しやすいという。

ついでに言えば、霧とは「ごく小さな水滴が大気中に浮かび、漂っている現象」で、「水平視程1キロメートル未満」のものを指す。同じ水滴浮遊現象でも「もや」は「水平視程が1キロメートル以上10キロメートル未満」と、霧よりはちょっと見通しがよい。

5月3日の日没前、夏井川の堤防を散歩した。いつの間にか海の方から霧の塊がのして来て、遠くの山や建物が見えなくなった=写真。翌4日夕方は海の方が霧でかすんでいたが、内陸の平中神谷まで霧に包まれることはなかった。

濃霧注意報は、濃霧によって交通機関への支障が予想されるときに地元気象台が発令するという。浜通りの海岸部ではしばしば霧の発生が予想されるようになった。

そこで思うのだが、この霧を逆手に取ったらどうだろう。九州の由布盆地は霧で有名だ。北海道の釧路市や函館市、そしてロンドン、サンフランシスコも。霧は交通の妨げになるかもしれない。が、立派ないわきの地域資源だと考えれば、いろんな演出効果が期待できる。

たとえば、先日オープンしたばかりの「小名浜美食ホテル」。霧がロマンティックなベールとなって付加価値を高める、といった発想があってもいい。「夜霧の小名浜美食ホテルへどうぞ」とでもPRすれば、「行ってみるか」となる人間がいないとも限らない。霧の写真コンテストだって、やればできる。

まあ、ただの思いつきだが、考えを深めることは無駄ではないのではないか。

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