2008年5月15日木曜日

「ふっつぇ」と「やご」


バレイショはこの数年、種芋を植えたことがない。でも、取り残した小芋が毎年、種芋になってあちこちから芽を出す。葉っぱは立派でも芋はピンポン玉程度にしかならないから、過剰な期待はしない。シソもミツバもこぼれ種から発芽する。おひたし(ミツバ)や薬味(シソ)にはそれで十分だ。

土地(夏井川渓谷の小集落・牛小川)の言葉でこれを「ふっつぇ」という。『いわきの方言調査報告書』には「ふっつぇ=どこからともなく種が飛んできて、知らぬ間に自然に生えること」とある。

種をまいたわけではない。種芋を植えたわけでもない。が、土中から芽が出てきた。うまく育てばそれなりに収穫できる。野菜や山菜についてはそんな余得がたまにある。

「やご」という言葉もある。『いわきの方言調査報告書』によれば「植物の切り株から出る新芽・新しい枝」のことだ。

4月はいっぱい白菜の菜の花を摘んだ。グンと伸びてきた花茎を折り取ると、今度は脇から次々に花芽が出てくる=写真。それを再び三たび折り取っておひたしにする。この量産状態の花芽が「やご」だと、集落の住人から教わった。

「ふっつぇ」と「やご」。ふだんは忘れているが、晩春から初夏になると妙に生々しく思い出される言葉だ。

1 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

ふっつぇ 懐かしい 大正生まれの父も使ってまた言葉 千葉県の旭ですが