2008年6月1日日曜日

雨のいわき市植樹祭


いわき市で二番目、ほかの町村にまたがらない山としてはいわき市で一番高い鬼が城山(887メートル=川前町)のふもと、「いわきの里鬼ヶ城」で5月31日、市植樹祭が行われた。

カミサンに案内状が来ていたので、雨の中、運転手を兼ねて出かける。

「いわきの里鬼ヶ城」は標高600メートル前後の斜面に研修・レジャー・宿泊施設が展開するネーチャーランド。晴れていれば眺望がきいて、カッコウなどが鳴いているのではないかと思わせるほど、開けてせいせいとした高原だが、雨が冷たかった。

バーベキューハウスのある多目的広場から山里生活体験館に会場を変更して開会式が行われた。正面に「私たちは、『森』『川』『海』が大好きです‼」の横断幕が張られてある。市長があいさつし、国会議員などが祝辞を述べた。地元桶売小と小名浜海洋少年団の子供たちが一緒になって「ちかいのことば」を斉唱した。

多目的広場で記念植樹が行われたあと、施設近くの元牧草地へ移動して、市民らによる一般植樹が行われた=写真。用意された苗木はヤエザクラやシダレザクラ、ヤマボウシなど520本。カミサンはヤマボウシとヤブツバキを植えた。

さて、雨の植樹祭、結構ではないか――。素人はそう考えるが、ことは単純ではない、らしい。植樹をしたあとに雨が降れば「恵みの雨」だが、植樹の前に雨が降り続くと苗木が「根腐れ」を起こしかねない。市長が「恵みの雨」を強調すると、「山が分かっていない」、知り合いがつぶやいた。私も「恵みの雨」と思っていたので、ギョッとした。

それから、もう一つ。いわきの森林、ということは日本の森林全体にいえることでもあるが、手入れされずに放置されている人工林が多すぎる。「枝打ち・下草刈り・間伐。それが必要な現状にもっと目を向けるべきだ。『植樹祭』より『育樹祭』が大切なんだよ」と、知り合いは付け加えた。それも一つのアイデアだろう。

山を買うか、というところまではいかないが、山を眺めているだけでは何も始まらない――。そんな感想を抱いた植樹祭でもあった。

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