2008年6月11日水曜日

夏井川渓谷の空き缶が減った


「春のいわきのまちをきれいにする市民総ぐるみ運動」最終日の8日、夏井川渓谷(牛小川)でも渓流沿いの県道で環境美化活動が行われた。早朝6時、大滝(上流)~籠場の滝(下流)間を、役所支給のごみ袋を手に、10人ほどが二手に分かれて歩いた。

夏井川渓谷のど真ん中、牛小川区に限っていえば、県道の空き缶・空きビン類は年々減っている。行楽客のモラルが向上してきたのだろうか。それもある。が、最近は川前のグループが「カントリー作戦」を展開している。今回は、それで随分とごみの量が減ったのを実感した。

いつもだと1人当たり2袋や3袋は集めるのだが、不燃ごみも可燃ごみも1袋に満たない。谷間のニッコーキスゲの花=写真=を見たり、ダイモンジソウの群落の話をしたりしながら、半分は「空戻り」気分でスタート地点へ戻った。聞けば全員がそうだ。1時間はかかる作業が40分程度で終了した。

籠場の滝班に入った私に、Sさんが教えてくれた。「川前のNさんという人が、ごみを見つけると車を止めて拾っているんだ」。定期的に「カントリー作戦」を展開しているグループの代表である。

雑誌と新聞記事で知ったが、Nさんは川前で田舎暮らしを始めた「ニューカマー」らしい。「田舎の美しい風景を守りたい」。その一心で夏井川の美化活動を呼びかけたら、手を挙げる人が続出した。グループ名は「川前発 夏井川をきれいにしてみま専科」。今年も3月に川前地区の夏井川と鹿又川で清掃活動を展開した。

昨日(6月10日)、ゲーテの4行詩「市民の義務」(銘々自分の戸の前を掃け/そうすれば町のどの区も清潔だ。/銘々自分の課題を果たせ/そうすれば市会は無事だ。)を引用して、土着的な地域の環境美化力について書いた。

同じ4行詩の後半「銘々自分の課題を果たせ」の「課題」とは、自分たちでできる「何か」だと、私は思っている。Nさんたちの場合は「夏井川のカントリー作戦」なのだろう。道路だけではない、大水や不法投棄がもたらした発泡スチロール、不燃物、その他のごみが谷間に散乱している。そこまで直視しての「きれいにしてみま専科」だ。

旧来の地縁組織とは違った、目的を共有する新しい「知縁」=「結(ゆい)」の誕生。旧と新がうまくかみ合えば、地域の環境美化力はさらにアップするはずだ。

0 件のコメント: