2008年7月18日金曜日

落果する庭のプラム


わが家の小さな庭にプラムの木がある。長男の小学校卒業だか、中学校入学だか忘れたが、「記念樹をどうぞ」という便りがあって苗木を購入したのだった。たぶん小学校の卒業記念だろう。

それから二十数年がたつ。植えて何年後かに実が生(な)りだした。初めのころは実の生るのが面白くて、せっせと収穫した。が、子供たちが家を出ると口にするのは夫婦だけ。枝という枝にびっしり実を付けるから食べきれるものではない。で、ついつい家へ遊びに来た人に迷惑も顧みず分けてやる、という仕儀になる。

今年も実が赤くなってきた=写真。「早くプラムを取ってちょうだい」。カミサンが口を酸っぱくして言う。そのつど、「うー、うー」と生返事を繰り返す。3日、4日とうっちゃっておいたら、落果が始まった。庭の方から饐(す)えたにおいも漂ってくる。いよいよ木登りするしかないか、と観念した。

剪定は過去に一度したきり。肥料もやらない。まったくの手抜きだが、実だけは立派に生る。よく見ると、何カ所か枝が折れていた。鈴生りの実を支えきれなくなったのだ。こずえの方の実はあきらめて、腕が届く範囲の実だけを収穫する。それでも結構な数だ。

サクランボと同じで、赤く黄色い実がうまい。果肉が締まっていて甘酸っぱいのだ。木の上でそれを食べたら、少年時代の情景が思い浮かんだ。そのころはプラムなどというハイカラな名ではなく、「スモモ」(別名ハタンキョウ、略して「ダンキョ」とも)と呼んでいた。

思い出は思い出として、3個も食べるともういけない。あとはカミサンに渡して「好きなようにしてくれ」となる。今年も遊びに来た人に押し付けるようになるのだろうか。

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