2008年8月1日金曜日

油圧ショベルがヨシを刈る


わが散歩コースの夏井川は平野部なので、河川敷が広い。それを利用したサイクリングロードがある。流れに沿って蛇行している。アスファルトで固めたコースの幅はざっと3メートルだろうか。夏はヨシやほかの草が丈高く茂るので、緑の壁ができる。

で、少しでも広い空間を確保するために、ソメイヨシノの幼樹が植えられた堤防側の河原は近所の人たちが草刈り機を当てて“散髪”する。ヨシの生えている岸側の河原はヨシが密生しているから、草刈り機のほかに“2輪草刈り機”が活躍する。

先日、サイクリングロードに油圧ショベルがでんと鎮座していた。アームの先端にある道具は四角っぽい。2輪草刈り機の本体を大きくしたようなものだ。これも草刈り機か。次の日に見ると、ヨシの生えている岸側がサイクリングロードと同じくらいの幅で刈り払われていた。

昨日(7月31日)の朝6時半過ぎ、いつものように堤防へ出ると下流の方からエンジン音が聞こえてきた。なんと油圧ショベルがキャタピラを回してサイクリングロードをやって来るではないか。どこへ行くのか。何をするのか。早足で追いかける。

と、サイクリングロードに接続する斜道へ進み、途中から直角に曲がって土手をのぼり出す=写真。堤防のてっぺんに出ると、今度は住宅地へ続く斜道を下って近くの重機レンタル会社に入ってエンジンを止めた。

油圧ショベルに付き添っていた軽トラのおじさんに尋ねる。「これ、草刈り機械ですか」「そう、下の方(六十枚橋下流の河川敷)を刈って帰って来たんだ」

下流へ行けば行くほど民家は遠ざかり、河川敷は広がる。近所の人の手を借りる限界を超えている。それで油圧ショベルの先端に草刈り機を取り付けて、一気に長い距離をやっつけたのだろう。

あとで車を走らせたら、ヨシ原の中を蛇行するサイクリングロードの両側がきれいに刈り払われていた。そこまで維持管理を徹底しないと、サイクリングロードは草に埋もれしまう。

湿潤を特徴とする日本の夏。そして、サイクリニストが現れる前の油圧ショベルの草刈り。初めて目にする夏井川の異風景、奇なる重機の仕事ではあった。

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