2008年8月13日水曜日

キジの尾羽を拾う


早朝、夏井川の堤防に取り付けられた坂道でキジバトのつがいが草の実をついばみながら歩いていた=写真。近づくと、少し飛んでは一定の距離を保って朝の食事を続ける。それを繰り返す。人が接近してもぎりぎり飛ばずにいられる距離は、3メートルほどか。

キジバトは春から秋までに数回、卵を産み、ひなをかえす。つい先日、造園業者に家の庭木の剪定を頼んだら、松の木にキジバトが営巣しているという。松の木だけ途中で剪定を中止したが、親鳥はその後どうしたか。数日後に見るとキジバトの姿はなかった。

この時期、野鳥は衣替え(換羽)をする。繁殖用の派手な夏羽を脱いで、非繁殖期の地味な冬羽をまとう鳥もいる。それでいろんな鳥の羽が落ちている。そのつど羽を拾って来る。キジの尾羽などは、こんなときでもないと手に入らない。羽だけではない。ダイサギはくちばしが黒色から黄色に変わった。冬羽に切り替わった証拠だ。

夏鳥と冬鳥が交代する準備期間でもある。8月の声を聞いたら、オオヨシキリのさえずりがピタリとやんだ。繁殖活動を終えて南へ帰ったらしい。オオヨシキリはゴールデンウイークに飛来して以来、ヨシ原のヤナギの木に止まって、初夏も、梅雨も、真夏も盛んにさえずり続けた。カッコウは結局、鳴き声を一度聞いただけに終わった。

チョウゲンボウも子育てを終えて散らばったのか、このところずっと姿を見せない。春先から変わらずにさえずっているのは留鳥の老鶯(ろうおう=ウグイス)。ヨシの先っちょで歌っているのはホオジロかと見れば、違っていた。ホオアカのようだった。

残留コハクチョウたちには酷な日本の蒸し暑さだが、それももうすぐ収束する。河原ではオオヨシキリに代わってコオロギの合唱が聞かれるようになった。夏至から2カ月近く、朝はともかく夕暮れが早くなったのを実感する。いわきでは「じゃんがら念仏踊り」のチャンカチャンカが響く月遅れ盆に入った。

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