2008年8月29日金曜日

十六ササゲ


いわき地方で「十六ササゲ」=写真=といえば、だれもが「じゃんがら念仏踊り」の歌を思い浮かべる。「ナァハァハァー、モォホォホー」ときて「盆でば米の飯、おつけでば茄子汁、十六ささげのよごしはどうだい」と続く。

十六ササゲを、平沼ノ内の土曜朝市で売っていた。歌でおなじみでも、現物にはめったにお目にかかれない。伝統野菜だから自家消費用にはつくられているのだろう。わが家の近所でも1軒だけ、庭の畑で栽培している。自分で種を採っているに違いない。

さやの長さが30センチ前後になる。やわらかい。一束を買った。さやの実が16あるから「十六」だというが、数えたら実の数は22だったり、19だったりする。それだけ多いという意味での「十六」なのだろう。

普通のインゲン同様、素揚げにした。結果は「ん?」である。生の段階ですでにやわらかいうえに、高温の油で加熱したからよけいふにゃふにゃになった。歯ごたえをうんぬんするどころではない。普通のインゲンでさえ素揚げにするとしおれてしまう。普通のインゲンはそれがおいしいのだが、十六ササゲには刺激が強すぎたらしい。

やはり歌にあるごとく、十六ササゲはゴマかエゴマ(ジュウネン)の「よごし」に限るのか。

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