2008年9月1日月曜日

税金が川を流れて行く


8月31日の午後、夏井川渓谷(いわき市小川町)の無量庵へ出かけた。同月28日深夜から29日朝にかけて、渓谷の上流・川前町で大雨が降った。渓谷はどんな様子か、2日たってやっと確かめに行くことができたのだった。

無量庵も、無量庵の畑も無事だった。家が解体され、斜面の杉林が伐採されて空き地になった隣は、と見れば、土砂流出もほとんどない。いつもと同じ風景だった。渓流だけがチョコレート色に濁って増水し、たけり狂っていた。

無量庵の対岸の森もふだんと変わりがない。木守の滝の手前、「崩れ」(落石個所)も無事。キノコも夏と秋の端境期に入ったらしく、これといったものはなかった。

そうそう、無事でないものが1つあった。渓谷を代表する景勝「籠場の滝」のすぐ上流、県道小野四倉線沿いに設けられた駐車場ののり面がまたまた大水でえぐられた。籠マットを何段にも積んだのでもう大丈夫と思っていたら、一番段数の少ないはじっこ(下流側)がやられた=写真。

すぐそばに大岩が露出している。それが増水すると「堰」になり、駐車場の側にも流れができて、籠マットの上の斜面が水の圧力に抗しきれずに崩れたのだろう。無事なのり面に残った漂着物(植物の茎の残がいなど)からみて、崩れたのり面から下流へかけての道路が一部冠水したようである。これしきの増水でやられるとは、というのが、偽らざる感想だ。

去年、駐車場ができたと思ったら、大水にやられた。今年、春から夏にかけて籠マット強化の工事が行われたと思ったら、またまた一部がやられた。税金がどんどん川を流れて行く。

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