2008年9月20日土曜日

商店街のざわめき


江戸時代は「浜街道」と呼ばれた旧国道の商店街の一角にわが家がある。このところ2階で在宅ワークを続けている。窓を開けると風が通り抜けて行く。音も飛び込んで来る。

日中は久しく、ビルの中で過ごした。ビルは外界の空気をいったん遮断する。騒音をオブラートにくるむ。しかし木造住宅のわが家には、障壁はない。ビルにこもる日々から離れ、久しく聞かなかった地域のざわめきの中に身を置くと、これが暮らしの情景なのだ、ということを実感する。そのなかで人は懸命に生活を立てているのだ。

朝、近くの幼稚園から音楽が聞こえる。園児たちがお遊戯の練習をしているのだろう。隣のコインランドリーからは洗剤の甘い匂い。1階の茶の間にいては分からない芳香だが、呼吸するたびに鼻から体内に入り込む。これは少々つらい。

家の前をひっきりなしに乗用車が行き交う。家並みの先、国道6号を救急車が行く。パトカーのサイレンも響く。ヒヨドリが鳴きながら飛んで行く。

午後2~3時になると、小学生がおしゃべりをしたり、大声を張り上げたりしながら通り過ぎる。夕日が差し込むころには、頭がもうろうとしてくる。机にしがみついていても能率が上がらない。仕事を切り上げて散歩に行く。

秋の雲が漂う気圏の底からあたりを眺める。日ごとに雲の形が変化する。「ヤコブのはしご」が見える=写真=こともある。雲のない空は文字通り虚空、連日青一色だと気持ちがおかしくならないか。                                    
さて、きょう(9月20日)はいわき市議選の運動最終日。連日、氏名を連呼しながらやって来た選挙カーも、夜8時にはマイクを置く。マイクを握る候補者が、ウグイス嬢がどんな調子で「最後のお願い」をするのか、家の2階でじっくり聴くことにしよう。

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