2008年10月5日日曜日

イチゴばあちゃん


スーパーカブに乗って平・沼ノ内の土曜朝市にやって来るおばあさんがいる。「高いな、まけろ」などと男言葉を使って、なかなか存在感がある。近くに家があるという。ネギや水稲、イチゴを栽培している農業のプロフェッショナルだ。朝市では魚がお目当て。

きのう(10月4日)、久しぶりにおばあさんが現れた=写真右端。魚屋さんが魚市場から戻って来るまでの間、お茶を飲みながら雑談をした。というより、おばあさんの話を聴いた。

一本太ネギを3反歩作っている。イチゴは1反5畝。ネギは出荷するが、イチゴは出荷をやめて自家消費に切り替えた。それで孫からは「イチゴばあちゃん」と呼ばれている。ほかにいろいろ作っているらしく、「ニラとイチゴとネギで入母屋造りの家を建てた」。家はおばあさん自身が方眼紙を使って設計したという。肝っ玉母ちゃんである。

「きょうは稲刈り。息子が来て刈ってくれる。息子でもただでは帰せない。魚を持たせてやんだ」。<一日魚屋>をやれるほどいっぱい魚を買った。「とにかくここの魚は安いから、それで買いに来るの」

75歳。実家は魚屋さんの生家の近所で、魚屋さんが生まれたときから知っている。小さいときの呼び名のまま、「○■ボー」と魚屋さんに語りかける。目をかけてもらっていたらしく、魚屋さんはおばあさんに頭が上がらない。

おばあさんからいろいろ教えてもらった。ネギは1万6千円を出して種屋さんから種子を買う。自分で採種してもフニャフニャしたものしかできない。硬く緻密なネギをつくるためには毎年、種子を買わなくてはならない。いわゆるF1品種なのだろう。

「サトイモは7回土をかけて育てる」「毎日3人に会ってしゃべるとぼけない、と言うな」。なんだか聞き書きをしたくなるようなおばあさんである。

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