2008年10月14日火曜日

飯野八幡宮抜穂祭に遭遇


先週土曜日(10月11日)の朝、自宅から夏井川渓谷へ向かう途中の農道で、飯野八幡宮神撰田の抜穂祭(ぬきほさい)に遭遇した。

神撰田は平中塩にある。両側に田んぼが広がる農道を車で行くと、大きな倉庫の前に幼児と母親、年配の人たちが集まっていた。バックミラーに飯野八幡宮の白いテントが映った。「抜穂祭か」。きびすを返して様子を見る。1枚の田んぼに縄が張られ、所々に弊束が飾られている。北側の小川江筋寄りに陣取って祭事が行われるのを待った。

9時45分。倉庫のそばで花火が打ち上げられた。花火師が火をつけるとすぐ炎と白煙が上がり、頭上で音が炸裂した。打ち上げられた瞬間を写真に撮ったら、白煙が写っていた。めったにないシャッターチャンスである。

神撰田近くにある平商業高校の女子生徒10人がふんする「刈女」と、白い装束(浄衣?)を身にまとった宮司らが江筋の方へ移動した。「野辺参り」とでも言うか、水稲の生長を支えた江筋の水に感謝する意味もあるのか、江筋にかかる小さな橋からしずしずと神撰田へ歩き始めた一行=写真=は、神撰田の前で口をそそぎ、テント内での神事に臨んだ。

やがて、鎌を手にした「刈女」が神撰田に入る。横一列になって一握りの稲穂を刈り取る。刈女はそれでお役目終了、である。同八幡宮が運営するたかつき保育園の子どもたちも同じように稲刈りを体験した。あとは氏子らで組織する「八十八膳献穀会」におまかせ、となるわけだ。

献穀会は毎年、「御田植祭」と「抜穂祭」のあとに会報「結(ゆい)」を発行している。近く発行される会報に頼まれて原稿を書いたので、これも何かの縁に違いないと「抜穂祭」の様子をウオッチングした。偶然とはいえ、「結」が引き寄せた、楽しい道草だった。

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