2008年11月23日日曜日

産直ルート399・いなかみち物産展


「あぶくまロマンチック街道」。どこが? 国道399号が、だという。いわき市と山形県南陽市を結ぶ延長約181キロの3ケタ国道で、阿武隈高地を縦断する。峠あり、カーブあり、隘路あり。阿武隈高地で生まれ育ったから言うが、「ロマンチック街道」とはちょいと気恥ずかしい。

豊かで美しい里山、澄んだ空気、清らかな水、日本の原風景ともいえる景観、さまざまな農産物、伝統文化、生活文化を体感できるのが国道399号、すなわち「あぶくまロマンチック街道」だとか。実際には「山道」いや「あぶくまスカイライン」、よく言えば「東洋のスイス」(作家の故田中澄江さん)だが。

それはさておき、小名浜港の小名浜さんかく2号交流館できょう(11月23日)まで、「あぶくまロマンチック街道 産直ルート399・いなかみち物産展」=写真=が開かれている。自称「阿武隈高地応援団」の一人として、初日の午後、カミサンと出かけた。

「産直ルート399」の「399」は、もちろん国道399号のこと。「いなかみち」は国道399号でつながる、北から飯舘村(い)・浪江町津島(な)・葛尾村(か)・田村市都路町(み)」・川内村(ち)の語呂合わせだが、「ロマンチック街道」よりよほどいい。そのものズバリ、「日本の田舎」がここにある、と胸を張れる。

その田舎をPRする物産が並んだ。漬物・凍み餅・大豆製品・ジュウネン(エゴマ)・どぶろく・お菓子……。本当は無料の餅入りきのこ汁を食べたかったのだが、先着400人限定で着いた途端に品切れになった。キムチのカクテキと白菜漬けなどを買った。

さて、いわきの人間は国道6号に沿った南北のタテ糸、とりわけ東京に目が向いている。バブル経済時代にゴルフ場の建設・計画が相次ぎ、水環境問題が起きてやっと東西のヨコ糸、水源の阿武隈高地にも目を向けるようになった。

その間を縫う「山のタテ糸」国道399号に対する認識はだから、まだまだ薄い。いわき市外、相双地区の「ロマンチック街道」となればなおさらだ。

10月中旬に葛尾村へ行ってきた。「福島県中山間ふるさと事業『あぶくまの水源を歩こう――葛尾川源流(五十人山)散策と、間伐材を利用したクラフト』」に、いわきから40人余が参加した。その1人として、葛尾村の自然と料理を堪能した。そういう仕掛けでもないと、「あぶくまロマンチック街道」に足を踏み入れることがない。

いわきから葛尾村へ行くのに国道6号と288号を利用するのが現状では、「あぶくまロマンチック街道」も限定的、局所的でしかないだろう。カネ(行政の補助)の切れ目が縁の切れ目になる前に、「あぶくまいなかみち」としての地力をつけておきたいところだ。阿武隈高地は日本を代表する田舎なのだから、それを誇りにして。

0 件のコメント: