2009年1月1日木曜日

除夜の鐘を聞きながら元朝参り


わが家から歩いておよそ5分、田んぼに囲まれた小山に立鉾鹿島神社が鎮座する。そこからさらに5分、田んぼから小高い丘の中へ続く石段の参道を進むと出羽神社に着く。去年は独立して初めて迎えた新年である。恃(たの)むのは自分だけ。「元朝参り」をして1年の無事を祈ろう――「NHK紅白歌合戦」が終わったあと、初めて両社を詣でた。

どちらにも氏子に知り合いがいる。お神酒をいただきながら、よもやま話に花が咲いた。あまり長時間に及んだために、カミサンが様子を見に来た。酔っぱらって用水路にでも倒れ込んでいるのではないかと、心配になったのだという。

夏井川から見れば立鉾鹿島神社も、出羽神社も左岸に立地する。右岸・山崎の高台には浄土宗の古刹・専称寺がある。江戸時代には浄土宗名越派の総本山だった。この鐘楼堂の修理が完了した15年前、初めて「除夜の鐘」が一般に開放された。その年、鐘を撞きに行った。わが家にいても除夜の鐘は聞こえるが、撞けばまた別な感慨が生まれる。

専称寺の境内の上にはオリオン。隣にはオリオンのベテルギウスを起点に、シリウス、プロキオンを結んだ正三角形「冬の大三角」。東斜面に立つ鐘楼堂の上には北斗七星がまばたいていた。去年はその鐘の音を聞きながら元朝参りをしたのだった。

紅白歌合戦では、前半と後半の間にアイルランドの歌手エンヤが生中継で歌った。これはなにがなんでも見逃せない。元朝参りは番組が終わってから、と決めていた。

が、5日前に風邪を引いてのどをやられた。きのう(12月31日)も日中は寝ていた。それで、正月飾りはカミサンが全部やった。「二日酔いで寝てるか、風邪を引いて寝てるかのどちらかだもの。今年はタイミングよく風邪を引いたものだわ。元朝参りどころじゃないでしょ」と痛いところをつかれても気にしない。

紅白歌合戦が終わったあと、専称寺と、平の市街地近く(旧神谷村西端)にある弘源寺の「除夜の鐘」を聞きながら、去年とは逆に出羽神社=写真、立鉾鹿島神社の順で詣でた。オリオンと「冬の大三角」が真上にあった。厳しい世の中である。願い事はいっぱいあるが、お賽銭の額に合わせて今年も1年の無事だけを祈った。

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