2009年1月7日水曜日

三春ネギ苗に寒冷紗のドーム


夏井川渓谷(いわき市)にあるわが埴生の宿の「無量庵」は、冬本番を迎えて朝の室温が氷点下5度前後まで下がるようになった。わきにある菜園の土も、厳寒期には厚さが10センチ近く凍りつく。午前中はスコップも鍬も歯が立たない。そこに三春ネギとサヤエンドウの苗床がある。苗はかじかみながら春を待っている。

年が明けてやっと、もみ殻を入手した。すぐサヤエンドウの苗床にまいた。風除けのササを差してやらなかったから、罪滅ぼしのようなものだ。少しでも凍土が緩めばいい。西風が吹けばもみ殻は飛ばされる。そのときはまた何か手を考えるとしよう。

三春ネギの苗床には、師走のうちに寒冷紗をかけた。知り合いの店から半円柱のパイプが不用品として出た。それを運び込んだのがある。苗床にぴたっとはまる。パイプに寒冷紗をかけると、立派なドームができた=写真。まず、落ち葉が苗床に積もるのを防ぐことができる。飛んで来る虫も遮断できる。

苗床のほかには白菜の畝が2列、自家採種用に残した三春ネギの畝が少し。そして、仮植えした郡山産の阿久津曲がりネギが何本かある。このネギが冬をどう越すのか、観察するのだ。少しは三春ネギの栽培技術を磨くヒントになるかもしれない、という思いからだが、その前に食べてしまいそうな予感がする。

というわけで、今年も少しずつだが三春ネギのルーツ調べを続けるつもり。スーパーをのぞいて珍しいネギがあれば買って味を確かめる。よその町へ出かけたときにもスーパーへ入る。

元日、いわき駅からちょっと離れた大手スーパーで「初買い」をした。鍋用のネギはと探して、カミサンが「下仁田ネギ」を指さした。「『下ネタネギ』がある」。びっくりして「下ニタ!」と言ってやった。

カミサンは笑ってごまかしたが、暮らしというのは案外、こんなものの連続かもしれない。1人では間違うことがある。惑い、悩み、苦しむことがある。それらをカバーし合って年を重ねてきた、とだけは言えるか。

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