2009年1月18日日曜日

「いわきネギ」出荷最盛期


わが家のあるいわき市平中神谷地区は夏井川下流の氾濫原。上流から運ばれて来た砂が広く厚く堆積している。で、堤防に近い畑ではネギが栽培されている。ネギは水はけのよいところでないと育たない。砂地が適地なのだ。

朝晩、やや遠くまで散歩する。夏井川の堤防へ近づくと、ツンとネギの匂い(硫化アリル=アリシン)のするときがある。畑からネギを引っこ抜いたばかりだったり、皮むき中だったりすると、硫化アリルが一帯に滞留しているのだ。晩秋から真冬にかけてが「いわきネギ」の収穫=出荷時期。匂いも含めてネギの収穫・出荷作業はいわきの冬の風物詩だ。

出荷するだけの量を栽培している農家は、機械を使ってネギの皮をむく。堤防を歩いていると、ビニールハウスの方から「ヒューッ」と音がする。ハウスの中央にすきまがあって、青く大きなネットが外に出ている=写真。空気を利用してむいた皮をそこへ飛ばすのだ。むいた皮は畑に返される。

「いわきネギ」は太くて長い。皮をむくとテカテカして稠密だ。テカテカとハリには、「三春ネギ」は太刀打ちできない。が、甘さや軟らかさでは「三春ネギ」に軍配が上がる。秋は自分で栽培している「三春ネギ」を収穫し、「三春ネギ」の葉が枯れる冬は「いわきネギ」を買って食べる。

前にネギ栽培の専門家に取材したが、今の「いわきネギ」は昔の「いわきネギ」とは違う。病気に強く、風折れしない。そして、消費者が好むテカテカとハリがある。とにかくみっしりしている。すきやきの鍋に入れても形が崩れない。だから、味噌汁は「三春ネギ」、鍋物は「いわきネギ」と食べ分けをする。

いわき地方では、北から仁井田川、夏井川、鮫川の下流域がネギの産地として知られている。ネギはいわきを代表する農産物の1つだ。 
                      
私は、今の「いわきネギ」より昔の「いわきネギ」、もっと言えば「白土ネギ」とか「川中子ネギ」を食べたい、というよりそのネギに「会いたい」という思いがある。種が消えたらおしまいだから(白土ネギは種が消えた)。

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