2009年1月29日木曜日

仙台の博物館視察


いわき市立美術館協議会の一員として、おととい(1月27日)、仙台市の3つの施設を視察した。「仙台市博物館」「宮城県美術館」、そして「せんだいメディアテーク」。「せんだいメディアテーク」の建物に、「なんだこりゃ」とのけぞりそうになった。そのことを報告したい。

「せんだいメディアテーク」は道路の中央がケヤキ並木の定禅寺通りにある=写真。街のど真ん中だ。地下2階地上7階建て。見た目はガラス張りの「方舟(はこぶね)」。いわき市の「アクアマリンふくしま」を連想した。

中に入って、奇抜な構造になっていることを知る。「方舟」ではなく、「橋」。各階を貫く「円柱」が何本かある。その円柱が橋脚の役割を担っているのか、各階が橋のように鋼管で支えられているイメージが浮かんだ。「円柱」の中にエレベーターが設置されている。らせん階段を併設した「円柱」もある。

美術・映像文化の活動拠点である。同時に、だれもがさまざまなメディアを通じて自由に情報のやりとりをし、使いこなす手伝いをする公共施設でもある。スタジオやギャラリーで表現空間・活動空間を提供し、図書館やライブラリーで最新の知識や情報を提供する――というつくりに、「さすがは仙台」と感じ入った。同時に、この建物と図書館に「いわき人のゆるさ」を実感した。

南面がガラス張りだから陽光が差し込んで明るい。そして、暑い。夏はひからびてしまいそうだと思ったら、さすがにそのへんは計算している。夏は上部の窓を開けて熱を逃がすシステムになっているらしい。にしても、これは建築家のエコよりエゴが強く出ている建物だと感じた。

「円柱」を使い、7階から順に下りて市民図書館をのぞいた。その瞬間、「屁もこけないな」と思った。静寂。みんな息をつめて本や新聞と向きあっている。それに比べたら、いわき駅前の「ラトブ」にある総合図書館はにぎやかだ。

仙台は、都市の力、というか民度はやはり東北一。いわきに住んでいると、いわきが都市の尺度になる。寒じめホウレンソウになれない「ゆるさ」がそれだ。しかし、それはいたしかたないことなのだ――などと開き直って帰って来た。

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