2009年2月3日火曜日

エノキタケが渓谷の庭に


2月1日は午後から、いわき地域学會の講演会・総会・懇親会が開かれた。日曜日である。いつもだと夏井川渓谷(いわき市小川町上小川字牛小川)の無量庵へ出かけてこたつで昼寝をしたり、森に入ったりするのだが、会員なのでそうはいかない。

で、翌日、つまりきのう(2月2日)、無量庵へ車を走らせた。冬の森を巡る目的の1つは何回も書いているが、天然のエノキタケと対面することだ。市販されているモヤシのエノキタケは、食卓にのぼれば食べる。が、あれはエノキタケのまがいもの。天然のエノキタケを写真に撮る、採取する、豆腐汁にして食べる――いつも頭に描いて森に入るのだが、だいたいは空振りに終わる。

渓谷の「木守の滝」はすっかりしぶき氷が解けていた。いったん冷え込んだと思ったが、それは人間の勝手な体感にすぎなかった。たぶん、氷塊を手に入れるのは、今年は無理だろう。

それよりなにより、森の荒れようはかなりのものだった。1月31日の冬のアラシが枯れ木を倒し、枯れ枝をそこら中に吹き飛ばしていた。場所によっては歩きにくいところもあった。いつものコースを往復して帰る。先週まで立っていたサンショウの古木が根っこから倒れていた。立ち枯れ赤松の巨木も梢から徐々に折れ、はがれて、背丈が縮んでいた。

エノキタケは発見できなかった。いつからか、それが当たり前と思うようになった。で、念のために無量庵の庭の周りを巡った。と、藪の中の木の根元にエノキタケが数個、傘を広げていた=写真。何だ、「ヒマラヤよりウラヤマ」ではないか。

こんなことは時々起きる。頭でこうだろうと思って行動すると空振りに終わる。期待しないで足元を巡ると目的のものがある。キノコだからだろうか。そうは思わない。思い込みに支配されてしまうのだ。

一晩、エノキタケを水にひたして傘のごみを取った。今朝、これから豆腐汁をつくる、いやつくってもらって食べる。節分のいい記念になるだろう。

0 件のコメント: