2009年2月27日金曜日

ウグイスの初音を聞く


夏井川の岸辺でもほんのり春の気配が感じられるようになった。曇天の朝、河原のヤナギの芽鱗が赤みを増し、白い“水滴”をいっぱい付けていた。よくよく見ると、“水滴”は小さな銀ねず色のつぼみだった=写真。芽鱗を脱ぎ捨てたのだ。

夏井川のこちら側、平中神谷は堤防の内側に国道6号とJR常磐線が走る。ほぼ透き間なく家が立ち並んでいる。あちら側、平山崎は水田の広がる農村地帯。背後に小高い丘が連なる。その対岸からきのう(2月26日)、ウグイスの谷渡り(「ケキョ、ケキョ、ケキョ」)が聞こえて来た。と、すぐ「ホー、ホケキョ」。今年の初音だ。

2月中に初音を聞くのは何年ぶりだろう。東北で一番早く春が訪れるいわき市とはいえ、ウグイスがさえずり始めるのはおおむね3月になってから。昨年はこちら側の同じ場所で3月7日に初音をきいた。小名浜測候所の職員が目を凝らし、耳を澄ませて記録してきた「生物季節観測」結果によれば、小名浜でのウグイス初鳴日は、昨年は3月9日だった。

小名浜測候所での記録をならすと、いわき(小名浜)でのウグイス初鳴の平年値は3月17日である。去年秋、測候所は無人化されたから、「生物季節観測」は市民がそれぞれ個人的に実施していくほかない。いずれにしても、春は早まり、秋は遅くまで滞留している、といった印象が強まっている。

近所の庭木にも春がきざしてきた。アカメヤナギは早くからつぼみを膨らませ、蕊が立ち上がってきた。そばのジンチョウゲも赤く小さなつぼみが開いて白い花をのぞかせている。強烈な香りを漂わせるのも近いだろう。

ともかくウグイスの初音である。寒い空気の層が1枚めくれて、そこに明るい空気の層が入り込んできたな、と感じる。

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