2009年3月25日水曜日

カラスの巣づくり始まる?


ハクチョウが北へ帰るのと前後して、留鳥たちの動きが活発になってきた。

夏井川の河原で雄のキジが縄張りを宣言するようになり、同じ空間のあちこちでウグイスがさえずるようになった。岸辺に群れていたカルガモもいつの間にかつがいで行動している。留鳥たちはやがて巣づくり・産卵・抱卵・子育てと、最も忙しい時期に入っていくのだろう。

岸辺を営巣の地に選ぶのは、しかしキジやウグイスだけではない。カラスもそうだ。木々が芽吹くかどうかという早い時期からヤナギの高木に巣をかけ、抱卵する。それを去年まで何回か目撃してきた。

夕方、近所を歩いていると、目の前の柿の木からカラスが飛び立った。枝をくわえていた。今年も巣づくりが始まったのだ。

ところが、「ハテ」と思った。どこかで拾った枝をくわえて、たまたま柿の木に止まったのでなければ、柿の木の枝をくわえ折ったのだ。「くわえ折り」が事実だとしたら、くちばしはついばんだり、つついたりするだけのものではない。「道具」にも使っている。そういう行動を取っても不思議ではない。カラスはいつも何か気になることをしてくれる。

わが散歩コースのカラスは早朝、夏井川の岸辺近くにある電線や木に止まって、残留コハクチョウの餌づけをしているMさんが現れるのを待つ。Mさんがまく屑米とパン屑のおこぼれを頂戴する=写真。「ゴンベが種まきゃ……」と同じで、目ざとさは天下一品。人間をよく観察しているから、それで「くわえ折り」を学習したか。

カラスはハシボソ・ハシブト入り乱れて、労せず腹を満たすと三々五々、思い思いの場所で過ごす。早朝の時間以外は群れかたまっているのをあまり見たことがない。代わりに、自分より体の大きいトビに付きまとい、前になり脇になりして進路を遮る、などという光景はしょっちゅうだ。同じタカの仲間のチョウゲンボウやノスリにもちょっかいを出す。

トビたちはなぜ反撃しないのか。カラスと争って翼でもけがしたら一巻の終わり、ということを知っているのだろう。カラスは頭がよすぎてイヤミなところもある、などと人間に引き寄せて考えてしまう。

そのカラスも子育てとなれば必死だ。雨の日も風の日もじっと卵を抱いて過ごす。下からは尾羽の先端くらいしか見えないが、なかなか感動的だ。

きのう(3月24日)朝、近所で今年最初のツバメを見た。旧小名浜測候所の記録では、ツバメ初見の平年値は4月11日。随分早い到着だ。今年は夏鳥もカラスやカルガモなどの留鳥と同じく、早々と子育てに入ることになりそうだ。

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