2009年3月31日火曜日

地域デビュー


年度末である。土曜日(3月28日)は夏井川渓谷(いわき市小川町)で行政区の総会が開かれ、日曜日にはわが家にとんぼ帰りをして平・中神谷(なかかべや)南区=写真=の総会に出席した。

「一線を退いたら区(地域)のために働いてほしい」。近所に住む区の役員さんが言うのを、現役のころは聞き流していた。しかし、会社を辞めて1年余、様子見をしていた役員さんから再度、声がかかった。「総会の議長をやってほしい」という。断る理由がないので引き受けた。

中神谷南区は県営住宅を主に、よそから移り住んだ個人住宅など350戸前後で構成されている行政区で、10年前に中神谷区から分離・独立して誕生した。どこでも同じだが、団地に住む若い世代は地域への帰属意識が薄い。住宅を建てて根っこを生やした人はともかく、アパートには隣組に加わらない人もいるという。かじ取り役はなかなか大変だ。

総会は県営住宅の集会所で開かれた。隣組の班長を中心に40~50人は集まったようだ。知っているのはほんの何人かだけ。カミサンまかせから初めて、議事進行役として「地域デビュー」を果たした、というところだろうか。

「役員活動費」について質問があった。例えば、区長には年4万5,000円、副区長には2万5,000円が活動費として支給される。役員会だ、地区の体育祭だ、正月の鳥小屋行事だなどと、拘束される日数と労力を思えばこの程度の活動費では済まないくらいだが、人によっては随分もらっているように映るらしい。

現実を見ないで数字だけを追った質問に「あなたも役員をやってみたら」と、役員が気色ばむ場面があった。が、ほとんどの人は、区の役員はボランティアに等しいことを理解している。予定の議案すべてを拍手多数で可決することができた。

初めて区の規約を読んだ。第4条に「本会は市と密接なる連携のもとに区民の親睦を図り、共同の福祉・教育文化・衛生・保全の充実につとめ、民主的な明るい住みよい区の建設を目的とする」とあった。毎日の暮らしを営むうえでの、地域の「憲章」だ。ここから、そしてこれから地域と向き合う場面が増えていく。

当たり前のことながら、地域にはさまざまな人が住んでいる。課題もいろいろとある。区の役員はそれらを総合的に調整・解決する重い任務を背負う。お飾りでは務まらないことを学んだ。

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