2009年4月10日金曜日

カナガシラの吸い物


首都圏に住む朋友が電話をかけてきた。「これから実家に帰る。酒を飲もう。魚を食べよう」。夕方、いわき駅前の「ラトブ」で待ち合わせをし、魚料理が売りの店へ繰り出した。

カツオの刺し身を頼んだ。いわきの港にカツオが揚がるのは早くて今月下旬。が、ともかく刺し身をとなればカツオだ。朋友は今の時期のカツオがいい、脂ののった戻りガツオは口に合わない、という。私はその逆で、脂がのっていればいるほど喜びを感じる。トロガツオは絶品だ。

カウンターのケースにアジやカナガシラ、ホヤなどが並んでいた。勢いそれらの魚の話になる。カナガシラはホウボウに似る。赤いので、タイの代用魚として慶事に利用される。数日前に食べたばかりの吸い物の話をした。

行きつけの魚屋さんでタコとサーモンの刺し身を買ったついでに、カナガシラのアラをもらった。「吸い物にするとうまい」というので、早速、試してみる(写真は刺し身にピントがあってしまい、肝心の吸い物がぼけている。ご勘弁を)。白身で淡白ながら、出汁がよく出ている。上品な味だ。

同じように、スズキのアラをもらったことがある。アラ汁に肝臓をぎゅっとつぶして入れるとよい、と教わった。さっぱりした汁に、さっぱりした肝臓の歯ざわり。これも忘れ難い味だ。こうして年に何度か、魚屋さんから新しい魚の食べ方を教わる。

カツオの刺し身はおろしショウガで食べた。ふだんはワサビで、脂ののった秋はワサビにおろしニンニクをまぜて食べるのだが、脂の少ない今の時期のカツオにはさっぱりしたショウガが向いているか。行きつけの魚屋さんにも間もなくカツオが入荷する。それまで再びカツオの刺し身は食べないでいよう。

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