2009年4月21日火曜日

アカヤシオ散る


日曜日(4月19日)、夏井川渓谷(いわき市小川町上小川字牛小川)へ出かけたら、アカヤシオ(岩ツツジ)の花はなかった。今年はやけに慌ただしく姿を消したものだ。

地元の人の話では、満開になった4月12日以降に雨が降り、風が吹いた。その風に吹き飛ばされた。見事なほどきれいに、一斉に散った。例年だと4月第一・第二・第三日曜日と、週末に3回はアカヤシオの花見ができる。

今年は4月5日、12日で終わった。代わって咲き残っているのがヤマザクラ。「あれがアカヤシオかしら」とマイカーでやって来た行楽客は首をかしげる。「先の日曜日がピークでした」と教えると、がっかりした表情になる。

夏井川渓谷の春は「五春」。梅から始まって、桃、アカヤシオ、ヤマザクラ、ソメイヨシノが時をおかずに咲き始める。それが、ヤマザクラだけになった。

今年は木の芽の吹くのが早い。さみどり色、臙脂色、黄色、薄茶色……。無量庵から対岸を見ると、険しい斜面が淡いパステルカラーに染まりつつある。それらを下地にヤマザクラの薄桃色が尾根を彩る。「山笑う」とはヤマザクラが開花した状態を指す――と言っても過言ではない。アカヤシオに限らず、ヤマザクラにも心引かれるものがある。

去年春、県道に沿って細長い駐車場ができた。ヤマザクラの木が1本、道と駐車場との境に残された。それが今、満開を過ぎて散り始めた=写真。道を行くと、突然、前方にこの木が現れる。幹に空洞ができていて、枯れれば邪魔者扱いされるところだが、今年も頑張って花をつけた。

ツツジ類はアカヤシオの花に代わって、トウゴクミツバツツジの花が目につくようになった。やがて木の芽が吹きそろえば、シロヤシオ(ゴヨウツツジ)の花が咲き出す。早め早めに草木が目覚めている。大型連休と同時にシロヤシオも花をつけるかもしれない。

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