2009年4月23日木曜日

夏井川で新たな工事


自称「夏井川ウオッチャー」だ。朝晩の散歩に、川を越えて平市街地へ行くときに夏井川を見る。夏井川を見ながら河口へ、水源の大滝根山の向こう側にあるふるさとへ、ということも時にはある。週末にはその中間の夏井川渓谷で過ごす。

息をするのと同じように、夏井川を見て暮らしている。ふるさとの山から流れてくる夏井川は私自身だ、という思いがないわけではない。

田村郡小野町と田村市滝根町のことは分からないが、いわき市内では夏井川の改修工事が途切れずに行われている。河口では堆積した砂を除去する工事が行われている。平野部の上流、小川町下小川でも改修工事が行われている。平山崎では土砂除去工事と県道付け替え工事が行われた。そして、今度は平の市街地の東端、東日本国際大学のある平・鎌田で工事が始まった=写真

もうかなり前のことで記憶もあいまいなのだが、国がらみの「ふるさとの川づくり」事業が行われた。親水空間をつくる、というのが目的だった。で、鎌田では川幅が広げられ、親水のための広場や階段が設けられた。それはそれで機能している。

ところが、その結果として徐々に中洲ができ、そこに草が生え、木が茂り始めた。中洲は肥大して中島になった。去年はこの中島で木の伐採が行われた。それはそうだろう。ふだんから川の流れが二つに分かれている。流れが阻害されているわけだから、水害の要因になりかねない。

親水空間をつくるとした「ふるさとの川づくり」は、考え方としては悪くない。しかし、事業が実施されて見た目がきれいになったのもつかの間、鎌田から下流の改修個所は年を追って砂の堆積が進んだ。流れに勢いがない川を広げたのだから、浅瀬に砂が取り残されてたまる。中洲ができる。川幅が狭くなる。そんなことは毎日、川を見ていれば分かる。

河川行政の思想は現実に耐えられない――ということか。

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