2009年5月26日火曜日

チョウゲンボウの停空飛翔


このところ毎日、ハヤブサの仲間のチョウゲンボウと対峙している。朝晩、あるいは日中、散歩と街への行き帰りに夏井川(いわき市平下神谷~中神谷地内)の河川敷や堤防の上の道を利用する。早朝はたいてい、国道6号バイパスの終点、夏井川橋の橋脚にせり出した作業台にチョウゲンボウが止まっている。休み場兼見張り場だ。

河川敷のサイクリングロードを歩きながら近づく。最短の場所でデジカメを向ける。鳥は視野が広い。前と横はもちろん、後ろの方まで見えるから、カメラを向けただけでさっと逃げる。いつも2コマを撮るのが精いっぱい。ブラインドを使わない限りは、人に見せられる写真は無理だろう。

でも、作業台に止まっていれば必ずシャッターを切る。ホバリング(停空飛翔)のあとの急降下、橋げたでの食事(小鳥の羽をむしっていた)、頭上でのはばたき……。デジカメのモニター画面ではけし粒にもならないほど小さい。

橋の上から近づき、カメラを突き出したこともある。たちまち異変を察知して姿を消した。体の半分も映っていなかった。人間よりよほど鋭敏だ。いや、向こうがこちらを記憶していて、堤防から橋の上へと歩みを換えたところから目で追っていたのではないか。完全に見られていた――そんな感じだ。

先週(5月21日)、車で堤防を通っていたら、すぐ近くでチョウゲンボウがホバリングをしていた。堤防の先端よりはすこし高い程度の空中から河川敷を凝視している。車を止めて窓から後ろ姿をバシャバシャやった=写真。後方に車が来て止まったことをたぶん察知したはずだが、狩りはやめない。珍しく何コマも撮った。

それだって満足のいく写真はない。ハトと同じ大きさとくれば5メートル以内には接近したい。どうしたらチョウゲンボウの警戒心をほぐせるか。いや、散歩の途中にいい写真を撮ろう、などと思うこと自体、不遜なことなのだ。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

野鳥の生態写真、いつも楽しみに拝見させていただいています。

どうすれば?こんなgood timingで撮れるのか脱帽です