2009年6月9日火曜日

梅が大豊作


夏井川渓谷(いわき市小川町)の無量庵の畑に、高田梅の木が2本ある。一昨年、立ったままで実を摘めるようにと、思い切って枝を剪定した。去年の収穫はそれでゼロに近かった。今年は2年分というわけではないだろうが、生(な)りに生った。水平に伸びていた枝が実の重みで地面につきそうになっている。

子どものころからカリッとした梅漬けを食べてきた。私にとっての「おふくろの味」だ。実家へ帰った折、母につくり方を聞き、亡くなったあとは義姉にも聞いてつくってはみたのだが、満足のいく出来栄えにはならない。梅は会津の高田梅だという。アンズのように実が大きい。

梅漬けには青梅を使う。実家では近くの店から買う。私も梅漬けをつくるときには、梅酒用に売られている青梅をスーパーから買い求める。ならば、梅の木を育てれば買わずに済むではないか――欲を出して、身内に造園業者がいる知り合いに話したら、苗木をプレゼントしてくれた。10年ほど前のことである。

苗木は少しずつ成長して、今では根元が一升瓶くらいの太さになった。1本は台風にもまれて傾いた。それでも元気に根を張っている。傾いた幹の負担を軽くする意味もあって、一昨年の晩秋、天に向かって伸びている枝を2本ともバッサバッサやったのだった。

さて、夏井川渓谷は虫のワンダーランド。梅が実を形成し始めると、どこからともなく虫がやって来て傷(食痕)ができる。傷のついた梅は漬けて干しても、そこだけ突っ張ったようになる。軟らかくならない。農薬を散布すれば別だが、自然に任せていては無傷ではいられないのだ。

できるだけ傷が小さく、そばかすの少ない青梅を漬けたら、一度はカビが生えてしまった。管理が悪かったのだ。以来、梅漬けはあきらめて、梅酒か青梅ジャムをつくることにしている。

その量だが――。これまでは収穫してもせいぜい2~3キロ止まり。今年はしかし、爆発的な生りようだ。やや大きめのレジ袋に摘み、小さなレジ袋に小分けしようとしたら、分解時期に入っていたのか袋が裂けた。ついにはごみ袋も引っ張り出して摘んだら、計10キロ超はあった=写真(ネギ坊主は種採り用の三春ネギ)。

青梅ジャムに梅サワー、梅酒。まずはジャムだ。きのう(6月8日)夕方、平の「鮮場」へ砂糖を買いに行ったら、旧知の記者氏とレジが一緒になった。

「ハチミツ?」と聞くと「梅ジュースをつくる」のだという。彼は第二の人生を最後の赴任地いわきで送ることにした。鮫川流域に家を買った。畑仕事も、釣りもする。梅は2キロ収穫した。「私は10キロ」というと、「来年は負けないでつくるぞ」。ご同輩とは、こういう人を言うのだろう。

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