2009年6月16日火曜日

猫にマタタビ


夏井川渓谷(いわき市小川町)を縫う県道小野・四倉線は、すっかり青葉に包まれた。磐越東線の上小川トンネルに接続する磐城高崎踏切を渡って地獄坂を上りきった先、ロックシェッドをくぐるあたりから緑のトンネルが続く。空も、渓流も“すだれ”を通して見るようだ。

杉の木を青葉のマントが覆っていた。半分、あるいは全部白い葉がある。つる性植物のマタタビだ。猫に与えると、ゴロゴロのどを鳴らして恍惚感にひたる。その反応が面白くて、この時期、夏井川渓谷から葉を摘んで飼い猫に与えてやる。

その葉を、カミサンが私のいないときに猫に与えた。いかにもネコ科の動物だ。ゴロニャン、ゴロニャンと反応したそうだ。ただし、雄猫の「レン」がそうで、雌猫の「さくら」はそうでもなかった。

不妊手術を受けてぶくぶく太った「さくら」はキャットフードしか口にしない。しかも、食べたものをそこら中に吐く。そんな猫がマタタビに夢中になるはずがない。いや、マタタビにおかしくなるのは雄で、雌はすぐ醒めるのか。

帰宅すると、茶の間の畳の上にマタタビの葉があった。しおれかけていた。それで媚薬(匂い)の効果が薄れたか、猫たちは葉を踏みつけても見向きもしない。残りの葉は花瓶に生けてあった。

と、今度は「レン」が花瓶の葉をむしゃむしゃ食べ始めた=写真。初めて見る光景だ。猫の食生活がキャットフード一辺倒になってなにかが狂い出し、匂いだけではあきたらずに、より強い刺激を求めてマタタビの葉を食べるようになった? いや、ストレスがたまっていたので精神安定剤の代わりに“服用”した? 人間と同じで、若い雄猫の行動にはびっくりさせられることが多い。

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