2009年6月29日月曜日

来る魚は拒まず


近所の奥さんがスズキを2匹持って来た。おすそ分けだという。このごろは見よう見まねで三枚におろすことを覚えた。出刃庖丁と柳葉包丁を持ち出して、いっときスズキを相手に“格闘”した。

一昨年あたりまでは、丸ごともらっても困惑するだけ。行きつけの魚屋さんに走って三枚におろしてもらい、ついでに刺し身にしてもらうのが常だった。前にも書いたが、ときどき、広野町の知人が三枚におろしたスズキを持って来る。忙しいときは内臓だけ取って、「あとは自分でおろしてね」という場合もある。それで、少しずつおろし方を覚えていった。

いわき市漁協のホームページをのぞいて「スズキのおろし方」をつぶさにチェックする。うろこの取り方から始まって、えら、内臓、頭の切り方を頭にたたきこみ、尾に切り込みを入れたあとの身のそぎ方、皮のはがし方、刺し身の仕方をメモにして台所の棚に置く。

メモをのぞきながら、手順に従って作業を進める。以前は素手で作業をしたために、魚がすべって背びれが指に刺さり、血を流したこともある。軍手をはめてスズキを押さえていれば、まずその心配はない。

肝心なのは、中骨に身が付かないようきれいに包丁をおろすことだ。が、素人の悲しさ、これが難しい。骨が見えないほど身が残ってしまう。仕方ない、こちらはぶつ切りにしてアラ汁にする。皮も吸い物にする。スズキやカナガシラ、ヒラメといった白身の魚のアラ汁は、味がさっぱりしていて上品だ。このごろはそれですっかり“白身党”に転向した。

牛や豚の肉は食べやすいように仕分けされて売っている。調味料も豊富だ。買って来て焼くだけ、煮るだけと、至って簡単。魚はそうはいかない。切り身、刺し身だけでなく、丸ごと売っている。丸ごとにはなかなか手が出ない。そのへんの違いが消費量の差になっているのだろう。スズキをさばきながら、水産振興の難しさを思った。

さて、最後の「おつくり」(刺し身)というやつ。柳葉包丁で身を切ってゆく。右からか、左からか。素人はいつも迷う。ホームページに倣って右端から切ってゆき、それを皿に盛り付ける=写真。下手は下手なりに飾れるようになると、舌も喜ぶ。スズキはこれからが旬。「来る魚は拒まず」の精神で待つとしよう。

0 件のコメント: