2009年7月2日木曜日

「個」のある図書館


いわき駅前再開発ビル「ラトブ」に入居しているいわき総合図書館が、6月15日から26日までの特別図書整理期間(休館)を終えて、13日ぶりに再開した。再開初日の土曜日(6月27日)と翌日曜日は用事があって行けなかった。29日は月末の月曜日、つまり月一回の休館日だ。

おととい(6月30日)、開館の午前10時に間に合うよう家を出た。返す本が10冊前後ある。借りる本もそのくらいある。小一時間かけて個人が借りられる15冊ギリギリの数を借りた。その間、寄せる波のごとく人が増えるのが分かった。「ラトブ」の地下駐車場から出るとすでに駐車場は満車状態、「ラトブ」に入る車が数珠つなぎになっていた。

「ラトブ」ができる4、5年前、私も参加して「いわき市総合型図書館整備に関する提言」を、当時の市長に提出した。きのう(7月1日)、整備検討懇談会の提言書を読み直した。「基本理念」のなかに〈「個」のある図書館、「輪」をつくる図書館〉というフレーズがあって、次のような文言が添えられていた。

「思い思いに過ごす『自分の椅子』のある図書館。ここは、人と人、人と情報とが出会う交差点。この新たな図書館が、いわきの文化をはぐくみ、人々の暮らしの質を高め、街のにぎわいをつくる」

総合図書館が平成19年10月25日、「ラトブ」のオープンと同時に、その中核施設として開館した。奇しくも同じ日に私はフリーになった。すぐさま図書館通いが始まった。以来、仕事に、趣味に「自分の椅子」を利用している。といって、何時間もいるわけではない。空想の「マイチェア」がいつもそこにある――そう思わせる規模、環境、空間ができた。

その延長線上で「ラトブウオッチャー」を自称する。今年に入って「ハハン」と思ったことが3つある。

一般の駐車場は1階の半分と地下1、2階にある。地下駐車場に関して言えば、今年、自分がどこに車を止めたか分かるように、動物(B1)と果物(B2)=写真=のイラストが柱に張られた。自分の車をどこに止めたか分からなくなることがよくある。利用者の迷いを減らすビジュアル作戦だ。

4月中旬にはCO2削減を理由に、B2が夜間、消灯されるようになった。それと合わせるように駐車場の照明が間引きされた。暗くなった。このご時世、少しでも知恵をはたらかせて節約をしなければならない、というのは当然のことだ。

3つ目は銀座通り側の喫煙所。オープン当初は地下駐車場への出入り口のそばにあった。非喫煙者はそのために息をつめて煙の中を行き来するしかなかった。それが時計塔の設置に合わせて移動した。たばこの煙から解放されたことを、一ウオッチャーとして喜びたい。

「ラトブ」は街のなかの「街」であり、「知の森」であり、仕事に必要な「もう一つの椅子」である――少なくとも私にはそんな存在だ。今日も「知の森」に分け入るつもりでいる。

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