2009年7月5日日曜日

白鳥の砂浜


朝晩、散歩する夏井川(平・中神谷)から残留コハクチョウの姿が消えてだいぶたつ。翼をけがして飛べないのが3羽。去年はこれに体力のない幼鳥1羽が加わって4羽になり、今年はその幼鳥が回復して北へ帰ったために、いつもの3羽に戻った。      
       
ところが、その3羽がことごとく泳いでどこかへ去った。「左助」の居所は分かっている。 最古参の「左助」は中神谷から3~4キロ下流の河口にいる。                                
河口はすっかり砂で埋まった。その砂浜の川岸が休み場だ=写真。夏井川流域では一番涼しい海風が吹く場所。熱帯並みの日本の夏を乗り切るためにシベリア生まれの本能が河口を選んだのだろう。

夏井川河口はコアジサシの繁殖地にもなっている。夏場はそれで河口付近への立ち入りが禁じられている。人っ子一人いない砂浜。そこに脚の悪い「左助」が一羽ぽつんとうずくまっている。新舞子海岸のカレー料理店に用があって出かけるとき、道を迂回して、磐城舞子橋の上から姿を確かめては、「頑張れ」という気持ちになる。

残る「左吉」と「左七」は中神谷の上流、新川が合流するあたりの夏井川(平・塩)にいた。そのあと、ぷっつり姿を消した。新川をさかのぼることもあったから、そちらへ入り込んだのか。あとで二度ほど新川の堤防沿いを車で流したが、ヨシに遮られて2羽を確認することはできなかった。

ならば、毎朝白鳥にえづけをしているMさんに聞くしかない。先週末の早朝5時半過ぎ、自転車で夏井川の河口へ向かった。6時のサイレンが鳴り響くころには河口に着いたが、Mさんの姿はなかった。空振りである。Mさんはとにかく朝が早い。この時期、えづけの時間が6時以降になることはあり得ない。5時過ぎにはえさをやって帰ったのではないか。

いくらなんでも5時前に起き出してMさんから情報を取ろうとは思わない。いつかひょっこり2羽が夏井川のいつもの場所に姿を現すのではないか――時折、砂浜にいる「左助」の様子を見に行ったついでに、残る2羽についてもそんなことを思い巡らせる。

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