2009年7月14日火曜日

「びわ酒」熟成中


カナダをご訪問中の両陛下の様子がテレビのニュースで紹介された。美智子さまが子どもたちの前で〈ゆりかごの唄〉をうたわれた。「ゆりかごの 上に/びわのみが ゆれるよ……」。北原白秋作詞・草川信作曲の童謡で、初出誌は大正10(1921)年の「小学女生」8月号という。

3週間前に「びわ酒」を作った=写真。その連想でニュースを見ながら、白秋は6月のある日、ビワの実にヒントを得て〈ゆりかごの唄〉をつくったに違いない、と思った。 

その「びわ酒」だが、氷砂糖の量を間違えたらしい。ネットで調べたら、ビワの実1キロに対してホワイトリカー1.8リットル、氷砂糖は100グラムないし200グラム、500グラムとまちまちだ。ビワと同量の氷砂糖というのもあったような気がする。で、一袋(1キロ)をまるまる空けた。相当甘い「びわ酒」になることだろう。

広口瓶に、輪切りにしたレモンとビワを交互に重ね、ホワイトリカーを注いで蓋をし、黒い布をかぶせて階段下のスペースに置く。レモンは酸味を加えるため。布は光合成を遮るためだったか。

そもそも、このビワは種をポイとやったら芽を出し、実をつけるようになった生け垣の一部だ。自前の高田梅で梅酒をつくる予定だったのが、半分は青梅ジャムになり、半分は腐らせ、ホワイトリカーと氷砂糖が余った。ちょうどビワの実が摘みごろとなり、「びわ酒」もいいよと聞いて、それに切り替えた。

ビワはたくましい。ついでに言えば、ビワの木は丈夫で杖にもいい。池波正太郎の『鬼平犯科帳』では、老密偵の一人、高萩の捨五郎に鬼平が手製のビワの杖を贈っている。いずれ剪定しなくてはならないときがくる。その折には老後のために杖でもつくろうか、などと思ったりする。

甘い「びわ酒」は、何か別の飲み物とシャカシャカやるカクテルがいいかもしれない。甘いなら甘いなりの飲み方を考えよう。

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