2009年7月20日月曜日

アーティチョークの花


去年(2008年)の春、アーティチョークの苗を2株もらったので、無量庵(夏井川渓谷)の畑に植えた。最近、人気のある“新野菜”だ。1株はネキリムシにやられて消えたが、もう1株はなんとか持ちこたえ、2年がかりで大人の背丈を越えるほどに成長した。

アーティチョークはつぼみを食べる。そのつぼみが膨らみ始めたので、花柄ごと切り取った。驚いた。がく片がブリキ板のように硬くとんがっている。触れると痛い。こんながく片をむいて食べるのか。

がく片をどうはがしたものか、アイデアが浮かばない。手を出せば痛い。水を入れたコップに入れておいたら、薄紫色の花が咲き出した=写真。アザミに似た、いかにもキク科らしい線状花だ。別名「チョウセンアザミ」は、大きなアザミのような花、という印象から付いたか。

花はきれいだが、このがく片だ。どう考えても、下ごしらえは血を流さずには済まない。手が出ない。で、ネットで調べたら、アーティチョークは観賞用と食用とではタイプが違うらしいことが分かった。食用のがく片はずんぐりした緑色。こちらはいかにもアザミのトゲトゲを、大きく硬く鋭くしたタイプ。観賞用だったのだ、おそらく。

スペインに住む絵描きの阿部幸洋が昨春、ふるさと(いわき市平)で個展を開いた。中にアーティチョークの作品があった。それを見て、阿部の知人が画廊に苗を持参した。めぐりめぐって私が苗を引き取った。“新野菜”としての幻影に惑わされたためだ。

観賞用のアーティチョークは塩ゆでしても味がいまひとつらしい。手が出なかったのは、その意味でも正解だった。食い意地を鎮めれば、花はきれいな方がいいに決まっている。そういうアーティチョークを栽培するつもりはなかったのだが。

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