2009年8月2日日曜日

プロフェッショナルな犬たち


先の日曜日(7月26日)に、いわき市立草野心平記念文学館を訪れたときのこと。夏の企画展「くどうなおこと『のはらうた』展」にちなむ、絵本読み聞かせ「のはらうたと工藤直子の絵本」が開かれていた。

読み聞かせは、いわき絵本と朗読の会が同文学館で定期的に行っているイベント。ロビーに2匹の盲導犬が座っていた=写真。それで、イベント開催が分かった。飼い主が朗読を聴きに来たのだろう。

飼い主の関係者と思われる人がいすに座り、ハーネス(犬が体に付けている白い胴輪)に結んだリードを膝にかけていた。「写真を撮ってもいいですか」「どうぞ、どうぞ」。いろいろ話を聞いた。

犬種はラブラドール・レトリバー。1匹は16歳、人間でいえばかなりの高齢だ。年のために床にへばりついている。若い犬はいかにも体力十分といった風情で首をスッと上げている。へばっていようと、元気だろうと、ハーネスを付けているときは「仕事をしている」とき。緊張して待機しているのだという。えらい!

「えらい犬」で思い出した。刑事事件で足跡などを追うのに活躍する警察犬。水際で密輸を防ぐ麻薬捜査犬。家屋倒壊や土砂崩れ現場に出動して生存者を捜す災害救助犬。ほかに、聴導犬、介助犬などがいる。

犬は最も早く人類のパートナーになった生き物だ。いわき市泉字下川の大畑貝塚からも埋葬犬の骨が出土している。いわば「縄文犬」である。いわきの大地でも、はるか大昔から犬が人間の暮らしを助けてきたのだ。

――周囲で人がせかせか動き回ろうと、人声が聞こえようと、2匹の盲導犬はじっと座って飼い主が戻るのを待っている。わが家の猫どもに、彼らの爪のアカでも煎じて飲ましてやろうか、と思ったが、やめた。すれっからしになってからでは、いくらしつけても身につかない。人間も同じだが。

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