2009年8月11日火曜日

濁流と化す歩道


きのう(8月10日)未明に目が覚めると、土砂降りの雨だった。明るくなるにつれて雨脚が強くなった。

7時に孫のいる家を目指して、庭から車を動かした。道路に出ると、歩道が濁流と化している=写真。女性が傘をさして車道を歩いていた。水深はざっと15センチ。濁流は浅くても圧力が強い。足を取られそうになる。車道を歩くしかないのだ。この程度でそうなのだから、鉄砲水に襲われたらひとたまりもない。

この2週間余、両親、二組の祖父母がローテーションを組み、2歳3カ月になる孫の看病と、生後2カ月近くになる2番目の孫の世話を続けている。

父親と母親が昼と夜、交代で病院の孫に付き添うため、朝7時と宵の7時には両親の家に詰めて、1時間前後、下の孫の面倒をみる。日中はもう一組の祖父母がお守りを引き継ぐ。昼前後には病院へ行って上の孫と遊ぶ――。これが最近の日課だ。

おかげで、生まれたばかりの孫のおむつを取り替えたり、粉ミルクをお湯で溶いで飲ませたりできるようになった。うんちの始末は、さすがに祖母か父親に任せるが。

雨が降ろうと槍が降ろうと、このローテーションは崩せない。で、大雨警報と洪水警報が発令されたなか、下の孫の世話をするためにわが家を出たのだった。

高気密・高断熱の新築借家に入ると、雨音はほとんど聞こえない。出窓の屋根でもあろうか、雨脚が強まったときにパラパラ豆をまいたような音がするだけ。快適だが、外部とは切れている。古い人間にはそう思われた。

もう一組の祖父母にバトンタッチをしたあと、わが家に戻り、少し仕事をしてから病院へ出かけた。夏井川は警戒水位に達していたが、堤防の先端まではまだ余裕がある。新川も同じだ。これがてっぺん近くまで水位が上がっていれば、心穏やかではいられない。

病室に着くと間もなく、孫の点滴容器が空になり、警報が鳴った。看護師さんが来て、点滴終了を告げた。半月ぶりに孫の手からチューブが取れた。器具も片づけられた。「あとは飲み薬だけになります」

けさは雨も風もない。台風9号はまだ東海地方の海上にあるようだが、内なる空は一足早く雲が切れて、いちだんと光が差してきた。

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