2009年8月17日月曜日

三春ネギを定植


盆送りと重なった日曜日(8月16日)、起きるとすぐ夏井川渓谷(いわき市小川町)の無量庵へ出かけた。三春ネギを「曲がりネギ」にするため、溝を斜めに切ってネギを寝かせる「やとい」という作業をしなければならない。8月下旬には時間的な余裕がなくなる。一気にやるにはその日しかないのだ。

できれば朝飯前、つまり太陽がギラギラ照りつける前に作業を終えたい。そんな心づもりで出かけたものの、雲はどんどんV字谷の上を流れて行く。すぐ青空が広がった。熱中症とアブ・蚊には注意しないと――。

スコップを入れてネギを掘り取る。ネギが植わってあった溝を利用して、斜めに新しい溝を切る。次に、車のついた腰掛けに座ってネギの古い外皮をむく。じっとしているから、アブがブンブンまとわりつく。我慢できずに蚊取り線香を焚いた。すぐ効果が表れた。頭には麦わら帽子、首には手ぬぐい。1時間もすると、黙っていても額から汗がしたたる。

二度、三度と無量庵の台所にかけ込んで水をがぶ飲みした。手ぬぐいから、水に濡らしたタオルに切り替えた。それでも汗は収まらない。作業を始めておよそ2時間後、無量庵に引っ込んで朝食をとり、またまた水分を補給した。

このあと、作業再開。半ば冗談、半ば本音で、カミサンに、ときどき畑で倒れていないか見てくれるように頼む。葉鞘が白くつやつやしたネギを溝にそろえると、なかなか美しい=写真

教科書には、「曲がりネギ」にする場合、ネギの上に堆肥を施用して軽く覆土する、とある。失敗するかもしれないが、閃きで堆肥代わりにもみ殻を施した。土を軽くかぶせたあと、これも閃きでパラッと油粕をまいた。そんなに痩せた畝ではない。ご祝儀のようなものだ。

数えたら、ざっと150本。育ちのいいもの、中くらいのもの、それより細いものと、ネギの大きさは三段階に分かれる。10月下旬以降の収穫まで、3回ほど倍土して曲がりネギにする、というのが教科書の手順。それぞれどんなふうに生育するのか、楽しみだ。

さて、「節句ばたらき」という言葉がある。仕事を休んで心静かに過ごす正月やお盆に、庭仕事をしたり、畑仕事をしたりすることを指す。

勤め人のときは、元日に畑の天地返しをしたり、生ごみを埋めたりしてひんしゅくを買った。今度は盆送りの日まで我慢した。渓谷の住人はそれでも「畑仕事をして何だべ」と見なかったか。住人の一人が軽トラで田んぼと作業場のある方へ向かうのを見たから、畑仕事をしても大丈夫だったのだろう。

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