2009年10月6日火曜日

三夜川のザリガニ


稲刈りシーズンに入って田んぼから水が抜けたのか、いわき市平中神谷地内を流れる三夜(さんや)川も三面舗装の底が見えるようになった。川といっても自然河川ではない。

志賀伝吉著『夏井川』にこうある。「三夜川とは鎌田・上神谷・塩・中神谷の平野の中央を貫通する排水路だが、途中の神谷住宅団地を良くするため県支弁河川として工事した結果、川名を三夜川とした」。流路はおよそ5キロ。

神谷地内は水害常襲地区。ちょっとした雨でも道路が冠水する。水害防止の一環として三夜川の改修工事が行われた。今も宅地開発が進み、中神谷では、三夜川は大部分が住宅に挟まれている。生活排水も流れ込む。

朝晩の散歩時、50メートルほど三夜川に沿って歩くところがある。ちょうど川底に段差があって、水が多い時期はそこだけ水音高く、白く落下している。初夏からつい最近まで、そうだった。ここで排水中の溶存酸素が増える、そんなイメージがいつもわいた。

水が引けた今は泥と空き缶その他のごみが散乱している。段差の下は水たまりになっている、ある日、何げなくのぞいたら、川底が赤く染まっていた。黒い塊がせわしく動いていた。赤い色はアメリカザリガニ=写真。黒い塊はオイカワか。カニもごみか何かの陰にササッと逃げ込んだ。

汚水に近いとはいえ、なんという生き物の数だろう。コサギやアオサギがよく飛来していたのは――きのう(10月5日)もアオサギがデンシンバシラの上に止まっていたが、えさになる生き物に事欠かないからだろう。

とはいえ、アメリカザリガニの数は異常に多い。水が引けたために、水たまりを求めて上流から、下流から移動してきた結果ではないのか。としたら、いずれ彼らは自分たちの食料問題に直面することになる。共食いが始まるに違いない。

そこは人間社会のど真ん中。流れが切れて滞留する水は透き通っていても、水質は別だ。山里のように水のきれいなところだと、すくいあげてエビフライの代わりにしてもいいのだが、排水路では食指が動かない。しばらくは彼らがどんなふうに行動するのか、観察することにしよう。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

それにしても、おびただしい数のアメリカザリガニです。

紅葉したはっぱかと見まごうばかりです。

小さな時分、マッカチッカとこの辺では言ってました。堅く赤い鎧を着て戦闘モードの姿はおもちゃの代りでした。

とくさん さんのコメント...

こんにちは、僕もこのところザリガニが多いなと思っていました。どうしたのかな~と思っていたのですが、たぶんご推察の通りですね。なるほど。

裏磐梯でザリガニを食してみましたが、カニのような味でしたよ。やっぱり、ザリ”ガニう”ですね。