2009年10月18日日曜日

川内村の「お土産」


いわき市常磐湯本町の「野口雨情記念湯本温泉童謡館」で月一回、おしゃべりをしている。きのう(10月17日)がその日だった。そのあと、用事があって近くの温泉旅館を訪ねたら、双葉郡川内村の知人がロビーにいた。机を前にして座っている。知人は、今は村の特別職の一人だ。その旅館で同級会をやるのだという。あっちもびっくり、こっちもびっくりだ。

こちらの用事はすぐ終わった。その前に、知人が「これをやるから」と、同級会に出席した人に配る川内村のお土産を寄こした。「オレの分だから」。この知人は、いわきで私も出るような集まりがあると、「これ、あんたに」と何かを持って来る。もちろん毎回ではない。

袋詰めのお土産は4品=写真。中に生産者代表の手紙が入っていた。まず、味噌。「川内村生産者の分かる味噌造り企業組合」がつくった。原材料は米・大豆(ともに川内産)、食塩(いわき沖海水を使用)で、麹菌は隣の田村市から調達した。

蒸かした米に麹菌を加え、塩と煮た大豆を混ぜておよそ8カ月、自然発酵をさせるために、通常よりは米麹が多く、低塩分で甘く上品な味に仕上がっている――と「手前味噌」を紹介している。ちなみに、値段は4キロ入り送料込みで2,900円だ。

残る3品は、乾燥シイタケ(遠藤キノコ園製)に凍みもち(山ゆり会製)、クッキー(カフェ・ダノニー製)だ。クッキーは「かえるクッキー」と言って、「だったんそば粉」入り。食べた瞬間、そばの香りがした。「かえる」は国の天然記念物に指定されている繁殖地・平伏沼のモリアオガエルにちなむ。

村の地道な試みが少しずつ形になる。ものづくり事業は発展・停滞・後退のサイクルを繰り返すだろうから、らせん階段を上るようにどう熟度を上げていくか、常に研究意欲をかきたてるような環境づくりが大事なのだと、クッキーを食べながら思った。

0 件のコメント: