2009年10月20日火曜日

散乱する吸い殻


きのうの話の続き。「たばこのみ」のS君はマナーが北欧一だった、と書いた。その根拠は吸い殻入れを携帯したことと、許された場所(灰皿のある所)以外では喫煙を我慢したことだ。たばこをやめる意思は弱いが、マナーを守る力はあるのだ。

車や列車、飛行機で移動したあと、あるいはホテルで目が覚めたあと、食事を終えたあと、S君は姿をくらます。たばこを吸うために。そして、どこへ行ってもまず喫煙所を探す。数年前までヘビースモーカーだった私は、自分のニコチン中毒症状を思い出して、彼に同情する。この労力は無駄以外の何物でもないのだがと――。

S君のような観光客、ないし住民がいれば、歩道はきれいなはずだ。が、現実は違っていた――そのことを、北欧の第一夜を過ごすストックホルム(スウェーデン)のホテルに着いた瞬間に思い知らされた。

ホテルの前にはベンチがあり、たばこを吸えるように灰皿が設置されてある。夜になると、ビールを飲んだり、たばこをふかしたりしている人がいた。ホテルのレストランと直結しているのだ。吸い殻が灰皿からはみ出し、歩道に散乱していた。

翌日の午後遅く、ストックホルム発祥の地という、旧市街・ガムラスタンに橋を渡って行った。坂道がある。道は石畳になっている=写真。「冬はみぞれのときに凍って滑りやすい」。ガイドのジュンコさんが教えてくれる。その石畳を見ると、たばこの吸い殻が散乱していた。なんてことだ。

以後、ノルウェー・ベルゲンの目抜き通りで、デンマーク・コペンハーゲンの歩行者天国でたばこの吸い殻が散乱しているのを目にした。歩きながらたばこを吸っている現地の女性もいた。

たばこのマナーに関しては、わがS君が北欧一だったというのは、こういうことからだ。

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