2009年10月31日土曜日

観光基礎講座


いわきを訪れる観光客をもてなす案内人(観光コンシェルジェ)を養成しようという、いわき観光まちづくりビューローの観光基礎講座が始まった。昨年度、テキストとなる『いわき観光事典』づくりに携わったので、講師の一人に加わった。いわきの「概況」「歴史」「自然」のうち、「概況」について話した。

いわき市の概況といっても、地理的位置・面積・気候・人口、その他基本的な項目ばかり。『いわき市史』『いわき市・市勢要覧』、および市役所各部の刊行物(チラシやパンフレットなど)を種本にした。数字を中心にした解説にならざるを得ないので、種本からエキスを抽出する方法に徹した。

面積のようなものはともかく、人口は絶えず流動している。時点を区切った記述になる。時間がたつに従って現実と乖離するのは仕方ないことだ。そこを修正しながらしゃべるようになる。あらためて『市史』と『市勢要覧』を照らし合わせ、インターネットや書物を使って他市とのデータを照合・比較した。当然、異同もある。

たとえば、いわき市の緯度。『市史』には「北緯36度57分から37度19分の間」とある。『市勢要覧』では「極南36度51分、極北37度19分」だ。どちらを取るかということではなく、ざっと「37度」の線で話を進めた。実生活では「おおよそ」が大事なのだから。

市の面積としては、いわき市はかつての日本一から10位に後退した。それを説明する過程で1位・高山市の面積をチェックしたが、ある書物では2,179.35平方キロメートルなのに、高山市のホームページでは2,177.67平方キロメートルだ。ホームページの数字を優先した。

というわけで、編集作業を終えてからもだいぶたつ。その間に『いわき市・市勢要覧』は平成21年版が出た=写真手前。表紙の写真はもちろん、本文の写真もあらかた一新された。観光基礎講座ではこの『市勢要覧』も資料としてそろえてもらった。私が手に持って示したのは表紙の違う旧版。受講者はとまどったことだろう。

いずれにせよ、流動する「今」をできるだけ客観的に文字化する作業の難しさを思わないではいられなかった。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

いわき市の「今」は客観的にみてどう?映りますか?

よい面ばかりでなく、わるい面も。
わるい面ばかりでなく、よい面も。

わたしは、その土地柄はその人柄が反映すると思えてなりません。

いいもわるいもそこに住む人の印象が歴史となって刷り込まれるような気がします。

いい「街」は、たぶんいい「人」たちが街そのものを形成してるのではないでしょうか?