2009年11月12日木曜日

モンゴルの岩塩


この秋、二度目の白菜漬けだ。漬け込もうとしたら、「この塩を使ってちょうだい」と声がかかった。「モンゴル 太古の塩」と書いてある。ポケットサイズで150グラム入り。中くらいの白菜2玉は、手で量った感じでおよそ4.5キロ。塩の分量3%として、少し残るくらいでいい。

岩塩だ。原産地はロシア国境に近いモンゴルのウブス県。首都ウランバートルから西へ行くこと1,400キロの秘境だという。3億年前の完全天然結晶塩・合成成分や汚染物質は含まない・苦みがなく、まろやかな甘みがある・肉や野菜など陸の素材に適する……、などと能書きにある。

変わった塩を使うのも一興だ。見た目も、さわった感じもパウダー状。小石のようになったかたまりは、親指と人さし指でギュッとやれば崩れる。これを白菜の葉1枚1枚に軽く振り込む。

重しを載せると、翌日には水が上がった。塩がなじむのを待つには、丸3~4日は寝かせた方がいい。が、初めての岩塩漬け込みだ。3日目の朝には我慢できずに、八つ割りにしたうちの一切れを取り出した=写真

葉がしんなりして、きめの細かい塩加減のなかにほのかな甘みが広がる。日本の食塩を振り込んだときのようなカドっぽさがない。ちょっと早い試食だったが、いい感じだった。

どこから手に入れたのか。あるイベント会場で売っていたのだという。といっても、日本の食塩に比べたらかなり高い。正札通りなら、ざっと6倍の値段だ。日常的に使うにはためらいがある。が、男が気合を入れて漬け込む白菜漬けや梅干しにはいいかもしれない。

白菜漬けの味の違いを舌で実感したカミサンは、新たに何袋か手に入れた。この冬はすべてモンゴルの岩塩で白菜を漬け込むことにしよう。

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