2009年11月26日木曜日

一網打尽とはいかず


休日、家にいれば夕方の散歩は1時間ほど早める。3時台だ。先の連休最終日は早朝、雨が上がり、日中は小春日になった。午後3時半ごろ、サケのやな場に近づくと、両岸に鮭増殖組合員がいた。一般人とみられる人も対岸に何人かいた。休日はこうしてギャラリーが現れ、結構にぎわうようだ。

10日ほど前、いわき民報の連載企画「いわき色紀行」にサケやな場の記事が載った。イクラの「オレンジ色」がテーマだった。「組合では12月まで、平上大越の作業所でサケとイクラを販売している」とあった。作業所はやな場から2キロほど下流にある。やな場でも売っているのではないか。そんな休日の雰囲気だった。

記事によると、やな場には一晩でサケ雄雌200匹ほどがかかる。それを朝、投網で揚げる。鮭増殖組合は毎年、30万~40万匹を孵化させる。今年は11月上旬に孵化用の採卵を終えた。で、今はイクラとして販売するための捕獲・採卵作業に精を出しているわけだ。

組合員は両岸から、なかには川に入り、水面を凝視しつつ遡上してきたサケをめがけて網を打つ=写真

姿は見せないが、遡上してくるサケが水面に水紋をえがく。そこへばらっと網をやる。危険を察知してターンするのか、網の外側で水面からはね上がるサケがいた。網を揚げるとからっぽ。そんなケースが多い。一網打尽とはいかないのだ。やな場のすみに捕獲したサケが並んでいた。4匹。効率は悪そうだ。

やな場は雨が降ると水没する。サケたちは増水に乗じてやな場を越える。上流でもサケの姿が見られるのは、やな場がたまに水没するからだ。このごろはめまぐるしく天気が変わる。雨も降る。やな場の水没回数も増えた。力尽きたサケはやがて浅瀬に流れ着き、カラスたちのえさになり、干からびて果てる。

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