2009年12月15日火曜日

皇帝ダリア


どうにも分からない「木の花」があった=写真。冬に咲く「木の花」はサザンカやヤブツバキ。今年初めて見るピンクの大輪の花だ。こんな「木の花」ってあったっけ? 在来種ではないから、「園芸木」に決まっている。

朝晩、散歩するコースのうち、昔からある近所の家の庭に、その「木の花」があった。高さ3メートルほど。てっぺんにピンクの花が群れ咲いていた。凛とした青空をバックに、ピンクの花が人間を見下ろしている。そんな風情だ。つぼみもたくさん付いている。


11月29日に常磐市民会館で「童謡祭」が開かれた。ステージにコスモスを大きくしたような、ピンクの花がでんと飾られてあった。前日、散歩コースで見た「木の花」と同じではないか、そうに違いない。

ネットで検索しても分からない。半月も悶々としていたあとの日曜日(12月13日)、ある住宅街を車で行くとその花が目に入った。「この花、なんて言うんだっぺな」。思わず口にしたら、助手席から即座に答えが返ってきた。「皇帝ダリア」。「えっ!」と顔を見た。「○△さんの家にもあるの」。教えられたばかりらしい。

木ではなかった。メキシコ原産で、身の丈が3メートル前後、それ以上になるのもあるという。秋から冬にかけて咲く短日植物、つまり日照時間が短くなると咲く植物だ。

名前を知ってから、散歩の途中に部分、部分を観察するようになった。茎は緑色、狭い間隔で節があり、真竹のように太い。1本、2本。3本はあったかどうか。太い茎を鉄棒か何かに縛りつけてある。木になりたがっているとはいえ、多年草だ。支えがないと台風がきたらひとたまりもない。

同じように感じる植物が二つある。一つはトウモロコシ。もう一つはヒマワリ。堀辰雄は「向日葵(ひまわり)は西洋人より背が高い」と言ったが、皇帝ダリアはそれを超えている。

いやはや地球上には想像力を超える物・事がある。皇帝ダリアは草の世界の恐竜かもしれない。そんなことを思わないではいられなかった。

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