2010年1月14日木曜日

北欧の絵本


13日の朝は、いわきには珍しく3日続きの曇天だった。3日目ともなれば、さすがに梅雨ではないから雲が動き出す。時間がたつにつれて西高東低の冬型の気圧配置になり、晴れ間が広がると同時に、風がうなりだした。

早朝7時過ぎ。全天を覆う灰色の雲をバックに、ハクチョウが飛びかう。どうかすると雲にハクチョウの体が溶け込んで、見失ってしまいそうだ。河川改修が進むかたわらでは、100羽を超えるハクチョウが羽を休めていた=写真。西に連なる山はところどころうっすら雪をかぶっていた。夜、平地では小雨になり、山では小雪が降ったのだろう。

「成人の日」に中通り(阿武隈高地)からやって来た兄が言っていた。「昔と比べたら阿武隈も雪が少なくなった。道路の雪かきをしなくてすむようになったのだから。間違いなく温暖化が進んでいるということだな」

最近、北欧の絵本をよく読む。いわき総合図書館には、大人の北欧文学が少ない代わりに、北欧の児童文学が結構そろっている。アンデルセンに代表されるように、向こうは児童文学の宝庫だ。

温暖化の話になったとき、読んだばかりの絵本の一節が思い浮かんだ。トナカイを飼育して暮らす北極圏(ノルウェー)のサーメの家族の物語だ。あまりに早く雪が降ると、一度溶けてコケごと凍りつく。すると、トナカイがえさのコケを食べられなくなる。これは全くないことではないだろう。早々と雪が降る、ということはどこにもあるのだ。

ところが、暮れにテレビで見た、現在のトナカイ飼育は深刻だ。雪ではなく、雨が降るのだ。その雨が凍りつくと、絵本のなかで語られていたのと同じ現象が起きる。トナカイはコケを食べられない。そのため、サーメは飼料を購入してトナカイに与えるようになった。温暖化の影響以外のなにものでもない。

身近なところで、北や南の国で、同時多発的に異変が起きている。せめてそのことだけでも頭の片隅に置いて、暮らし方を省みる手がかりにしたいものだ。

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