2010年1月25日月曜日

大般若護摩祈祷会


夏井川渓谷へ行くついでに、いわき市平中平窪の常勝院を訪ねた。いわきペディアによれば、同寺では1月第3日曜日に大般若護摩祈祷会が行われる。今年は第4日曜日だ。境内には出店が並び、多くの檀信徒でにぎわっていた。

寺は夏井川のそばにある。夏井川に架かる久太夫橋は目と鼻の先だ。その下流にハクチョウが羽を休めている。平塩地内では專称寺、平中平窪地内では常勝院――ハクチョウ飛来地に最も近い寺だ。

午前10時前。境内で縁日気分を味わっていると、「コーコー」と鳴きながらハクチョウが空を渡って行った=写真。近くの田んぼへ出かけるのだ。えさやり自粛の結果、ハクチョウたちは日中、夏井川の近くの田んぼへ移動して採餌する。次から次へとハクチョウの小群が寺の上空を渡って行った。

境内にたむろしている人はいっこうに空を気にしない。いや、ハクチョウに気づかない。わが同行者2人を除いて、空を見上げる人をついぞ見かけなかった。すっかり自分たちの日常に溶け込んでいるために、いちいち反応しなくなったのだろうか。

夏井川の堤防に出た。やはり後から後からハクチョウの小群が現れ、上昇しては田んぼへと旋回していく。空の高みでホバリングをしている鳥もいた。チョウゲンボウよりは大きい。オオタカか。旋回しては翼を小刻みに震わせて空中に停止している。何度もそれを繰り返しながら、視界から消えた。

ハクチョウが渡る空の下の縁日――。中平窪地区は下流の塩~中神谷地区より、もっとひんぱんに、もっと広範囲に「ハクチョウが飛び交う町」だった。

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