2010年2月1日月曜日

万年筆“再生”


1月30~31日にいわき市平のT1ビル・いわきワシントンホテル椿山荘で、7回目のチャリティーセール新まごころが開かれた。主催したのは地元の平一・二・三町目商店街新まごころ実行委員会とラジオ福島。その一環として、坂本紙店のブースで万年筆クリーニング(無料診断)が行われた。そのブースを訪ねた。

昔、仕事を介して知り合った友人たちから、「○△祝いだ」といってネーム入りの万年筆をプレゼントしてもらったことがある。その万年筆を使っているうちに、具合が悪くなった。インクが途切れる、二つに割れる。意地が焼けてポイッとやった。というのはウソで、筆立てに差し込んだまま放っておいた。

以来、ふだんのメモ書きは万年筆からボールペンに替わった。それから何年になるだろう。5年? いや、もっとたつ。

そんな万年筆を目前に置いておく人間には、万年筆の無料診断は魅力だった。わが万年筆を間に置いて、ペンドクターが“問診”をする。即座に「これはソフトペンですから、力を入れたらインクが途切れたり、二重になったりします」。力を入れるのは私の癖だ。ということは、ペンのせいではない。私が力を入れなければいいのだ。

そのあと、ペンドクターは万年筆を分解し、時計屋さんがつかうような拡大鏡で細部を見たり、ペンライトのようなもので内部を見たりした。「ペン芯を取り替えましょう、古くなっていますから」。それと同時に、内部のインクかすを取り除き、指に力を込めてペン先を狭めた。カートリッジインクを1本差し込み、インクの出具合を見て、さあと渡してくれた。

軽くペンを走らせる。インクがすらすらと流れ出る。万年筆がよみがえった。交換した部品も、カートリッジインクも無料だという。ありがたいことだ。すがすがしい気持ちになって立ち上がると、旧知の公務員氏が後ろに立っていた。彼も診断を受けに来たのだった。

ただで帰るというわけにはいかない。ここはインクを買わないといけないなあ――そんな思いに駆られてブルーのカートリッジを注文すると、12本入り420円がチャリティーのために320円だった。

得した気分で通路に出ると、ウルトラマンが子供たちの前で「シュワッチ」をやっていた=写真。いいぞ、いいぞ。親と一緒にやって来た幼児たちが目を輝かせていた。

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