2010年2月3日水曜日

雪が「ドンドン」


きのう(2月2日)、朝ご飯を食べていると、「ドンドン」と戸をたたくような音がした。少し間をおいて、また「ドンドン」という音がする。

猫が勝手に縁側のガラス戸を開けて出入りする。そのとき、縁側の荷物とガラス戸の間に置いてある、のら猫侵入防止柵(元は帳場格子)がガラス戸に当たってガタンガタンと音を出す。その音とはかなり違う。

口の不自由な人が戸をたたいているのではないか。カミサンがご飯を中断して確かめたが、人間はどこにもいない。それでも音はやまない。おかしいな。なにげなく階段を見上げたら、2階の窓ガラスを小さな影がよぎり、「ドスン」という音がした。

2階の窓を開けて外を見ると、テラスにザラメ状の雪が堆積していた。「ドンドン」は屋根の雪の落下音だった。朝日に照らされ、溶けだしたザラメ雪が瓦一枚分ずつ滑り出しては落下し、大きな音を発していたのだ。

――1日夜、南岸低気圧が本州付近を東進しながら雪を降らせた。春先に多い現象で、いわきの平地もときどき雪に見舞われる。今シーズン初積雪だ。雪はそんなに積もらなかったが、2日朝には放射冷却現象が起きたのか、道路は車道と歩道の一部が凍結して滑りやすくなっていた。

早朝、散歩に出ると、車が一台、フロントガラスに雪をのせたまま通り過ぎた。運転手の顔は雪で見えなかった。びっくりして車を目で追った。まるでトーチカの銃眼からのぞくような運転ではないか。なぜ雪を払わないのだろう、簡単なことなのに。

夏井川の堤防に出る。土手も畑も、家の屋根も、里山も阿武隈の山並みも、雪化粧をしていた=写真。救急車のサイレンが鳴りやまない。雪による転倒・スリップ事故で出動したか。集団登校中の小学生が雪の土手を犬ころのように転がり落ちて楽しんでいた。雪にはしゃぐのは子ども、悩まされるのは大人――いつの時代もこの構図は変わらない。

朝ご飯を終えたあと、茶の間で仕事を始める。屋根の雪の落下音は時間がたつにつれて違う所から聞こえるようになった。9時前後には東側の屋根から落ちていた雪が、10時前後になると西側の屋根から落下し始めた。太陽のエネルギーはすごい。たちまち雪は日陰の一部を除いて姿を消した。

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